世界一愛する君の側へ

-73- ページ3

あれから何年経ったか。




それは俺にも良く分からなかった。









「………A!!!!!!!」




俺の叫びが辺りに広がった。





目の前で血だらけのAが俺の前で崩れ落ちた。




「A、A……A………


返事をしてくれA



A…Aァ……!!!!!」





「早くの傷の手当てを!!!!」




誰もが騒然とした雰囲気の中、残酷にも程どがある言葉が降りかかった。




『無駄だ』





雪紫神の一言。



その一言の意味をとるのは容易かった。






なにせ生死を司る神だ。



一目見れば死ぬかどうかなんてすぐ分かるだろう。





分かった上で無駄だと、言った。






つまり……





「……A…」




Aは即死。






「俺はまだ…これからもお前が必要だ


俺が必要としてるんだ




目を覚ませA……」





真選組の奴らは何が起こったか分かっていないようだった。



「Aちゃん……?」


「Aが高杉を守った…?」



「そ、そんなことよりAの手当て…」





そう言って少しずつ近付いてくる奴ら。




「近付くな」


今にも泣きそうな俺の精一杯の牽制。




俺はAを抱き抱え、Aの耳もとで言った。




「帰ろう…A

俺たちの場所へ」

-74-→←-0-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す