世界一愛する君の側へ

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『……何があった』



『同じだよ
村が襲われたんだ

もっとも、襲ったのは武士達だったがな』




雪紫は白い息を吐きながら上を見た。





『今でも思うよ


私にもっとはやくこの力が宿れば、トキは救えたかも知れないと…』




『………』



私が武士に襲われそうになった所にトキが割って入って……

一瞬で………目の前で私を守るようにして倒れているトキが血だらけだった



そこからの記憶はいまいち思い出せん



気付いたら周りには武士の死体だけで、トキが真ん中で恐ろしいほど綺麗な顔で死んでいた




その時から、私は禍つ神になった。



日食と月食、その日のみ封じられた石の元から出ることができた。




靜が私の所に来たのは



『『日食の日』』



『その通りだ』



全くの偶然だった。


話は私が襲われたときとほとんど一緒で。



手を貸さなければいけないと思った。




記憶を操作したのは、Aが現実を受け付けなかったからだ。




『私が…?』



『そうだ
自分が殺したのだ

自分さえ生きていなければ



あの頃のAの口癖だった

本当にそうだと思い込ませなければ死んでしまうほど思い込んでいた


生きるためにはその怨念が必要だった



……靜は自分から記憶を封じることを望んだ』




目を閉じて今度は短いため息を一つ。




『これで私の話は終わりだ』

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