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誰にも言えないようなことが零れるのはなんでだろう。
感情的になっちゃうのはなんでだろう。
眩しい彼の心の奥に秘められてる何かに、私の本音が引き出されてしまう。そんな感じだった。
ヒーローになれない理由、そんなの私は個性を持ってないから。ただひとつだ。
『…無個性、だから。治崎さんは私のことを病気じゃないって…綺麗だって言ってくれた』
目の前のデクさんの顔が見れなかった。
先天的に個性が無い人なんて、今の世の中じゃ珍しい。
その上、彼にとって敵であった…壊理ちゃんを苦しめていた治崎さんを慕っていた私をどう思う？
『ずっと、除け者にされてきた。無個性だから親から見放されて。無個性だから同級生にいじめられて』
デクさんはただ黙っていたけれど、私は続ける。
何が言いたいかって言われたら分かんないけれど。
『治崎さんだけなんだ、無個性でも良いって言ってくれたの』
「…ッ、」
そう言いきったところで、ちらりと顔を上げる。
デクさんの瞳はゆらゆらと揺れていた。
少しだけ青ざめた表情で、どこか苦しげに息をつまらせてる。
『…私は弱いから、壊理ちゃんのことを守れない』
「っ、そ、れでも…壊理ちゃんは、」
『わかんないでしょ、デクさんには。ヒーローを目指せる個性も強さも持ってる』
彼に、彼らに何一つ悩みがないなんて思ってない。
色んな悩みや不安と葛藤することだってあるだろう。
でも、生まれつき個性を持ったものと持っていないものの差は歴然だ。
私が個性を持っていて強ければ、壊理のこと救け出してあげれたのにって。
…何度も考えた。夢みたいな話だけど。
『…無個性だから社会に馴染めなかったけど、無個性だから治崎さんや壊理と出会えた。でも、無個性だから壊理を救えなかった、治崎さんに置いていかれた』
矛盾してるよね。
───なんて笑ってみせると、デクさんが唇を噛み締めて私から目を離す。
『…いいんだ、もう。壊理が救われて、治崎さんは捕まった。私が壊理に会う理由も、生きる理由も全部無くなった』
強い個性を持つ壊理と、個性すら持たない私。
もうあんな狭くて暗い場所から抜け出したから。この異様な組み合わせは必要無い。
『私は…自分を受け入れる前に、現実を受け入れる方を選んだ』
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ゆきんこ - 治崎廻さんが私の一番好きなキャラクターなのですが、夢小説がなかなか無くて自給自足しなきゃなぁ、と思っていたところ、この作品に出会いました。この作品が大好きです！続きもすごく気になります。更新頑張ってください。応援しています！ (2020年9月22日 14時) (
レス) id: 622aa4e7f6 (このIDを非表示/違反報告)
碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜！更新頑張ってください！ (2020年3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！ (2020年2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品！めっちゃうちの読みたかったドストライクです！更新ファイトです！ (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
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