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■24.アクアオーラ ページ25

────……




最初に会った時から彼女は圧倒的に人よりも謝る回数が多かった。何を言うにも自分を下に見て、周りから距離を置こうとする。

誤魔化したような笑い方だって、そろそろ崩れ始めていた。


話を聞く限りだと過去のことが原因なんだろうが。


壊理ちゃんを抱えて何度も謝る姿は、何故かとても痛々しく見えた。

ごめんね、と繰り返す彼女の表情は今にも泣き出しそうなのに。




「もう少し、自分を許してもいいんじゃないか」

『……』



壊理ちゃんに何もしてあげられなかった自分を今さら責めるのは合理的じゃない。

静かで暗い廊下で、俺に背を向けた彼女は何も言わずに足を止める。



「A。確かにお前はあそこから壊理ちゃんを連れ出すことはできなかった。それは立場上できなかった」


声は張らずにいつものトーンのままで、俺は話し続ける。



「ただ、本当に壊理ちゃんを救えなかったってそう思ってんのか?」

『……壊理を救ったのは私じゃありません』

「救い出したことの話をしているんじゃないんだ俺は」



どうしても自分自身を受け入れられない。信じられない。許せない。

心から泣けない、笑えない。

…それが何よりも苦しそうだった。


壊理ちゃんがあれだけAに固執するのは、苦しい時もそばに居てあげたからじゃないのか。

そばに居てあげることしかできなかったと彼女は言うが、そのそばにいてあげるということが壊理ちゃんにとって大きなものだったんじゃないのか。




「今の彼女が求めてるのはお前だ。ここで別れを告げて、本当に彼女が今までのことを忘れ、幸せな道を歩めると思うか?」

『…でも!!』



声を荒らげたAは、はっとして口を塞ぐ。

夜の病院で騒ぐわけにもいかないからな。




『……考え、させてください』

「……」

『もう、壊理の幸せがなんなのか分かんなくて、私が離れれば彼女は泣くし、でもずっと一緒にいるわけにも行かない。もう何がなんだか、』



彼女の瞳に色は無かった。
強ばった表情は、やっぱり苦しそうで。

…今の俺が何を言おうと変わるような気はしなかった。




「…すまない、押し付けすぎた。病室まで送る」




小さく息を吐いた俺は、頭の後ろを搔きながら彼女の隣を歩いた。

□25.ベリル→←□23.ジェット



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設定キーワード:僕のヒーローアカデミア , ヒロアカ , 治崎廻   
作品ジャンル:アニメ
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碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜!更新頑張ってください! (3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです! (2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品!めっちゃうちの読みたかったドストライクです!更新ファイトです! (2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pico | 作成日時:2020年2月14日 19時

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