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くしゃりと歪んだ彼女の表情。
またもや壊理は私の首元に顔を埋める。
「謝らなくても、いいからっ、…何もしてくれなくていいから、」
『壊理』
「Aも一緒に…！」
この子は、なんて優しい子なんだろうか。
違うんだよ壊理。
私が壊理に優しくしてたのは、善意100パーセントからなんかじゃない。ただ私にだけ心を許してくれたことが嬉しかったから。
今まで私に心を許してくれた人なんて、私が心を許せた人なんて居なかったから。
普通に暮らすはずだった小さな少女が不憫だと思っただけ。
ずっと付きっきりだったのも、治崎さんに監視を頼まれていたからだった。
『…私、壊理が思ってるより酷い人なんだよ』
「Aは、ひどくなんかないよ…っ」
どうして彼女がこんなにも私に依存するのかが分からなかった。何もしてあげられなかったのに。救けたのは私じゃなくてヒーローなのに。
────私は、壊理のヒーローになれなかったのに。
どうして、どうして、と心の中で考えるほど胸の痛みが増していく。
彼女に釣られるみたいに、涙も出ないくせに泣きそうになった。
泣き止む様子の無い壊理のことを抱き上げた私はベッドに腰掛ける。
窓から差し込むのは月の光。その光を背に、私はポンポンと壊理の背中を優しくテンポ良く撫でた。
『…ごめんね、…ごめんね、壊理』
しゃくり上げて涙を流す彼女にかける言葉は、見当たらない。
私だってお別れなんてしたくないよ。
ずっとそばに居たい。
でもそれじゃあ、
『…ごめ、』
壊理を抱きしめる手に力が入った。
彼女が私にしていたように、私は壊理の肩口に顔を埋める。
「やだ…わたし、Aといっしょに…」
バイバイなんてしたくないよ。
震えた声でそう繰り返す壊理。
「Aがいなきゃ、…わたし…」
段々と小さくなっていく彼女の声。
睡眠もろくに取れていなかったらしい彼女はもう限界だったらしい。
涙の跡を残し、壊理は目を閉じた。
『………』
そっと親指で優しく拭ってあげると、私は彼女の頭に手を乗せる。
眠りについた後も、彼女の手は私の服を掴んだままだった。
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ゆきんこ - 治崎廻さんが私の一番好きなキャラクターなのですが、夢小説がなかなか無くて自給自足しなきゃなぁ、と思っていたところ、この作品に出会いました。この作品が大好きです！続きもすごく気になります。更新頑張ってください。応援しています！ (2020年9月22日 14時) (
レス) id: 622aa4e7f6 (このIDを非表示/違反報告)
碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜！更新頑張ってください！ (2020年3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！ (2020年2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品！めっちゃうちの読みたかったドストライクです！更新ファイトです！ (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
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