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『羨ましいな』
零れたのは本音だった。
私にも強い個性があれば壊理のことを救えたかもしれなかったのに。
ズキン、とこめかみが疼く。
全身がそれは違うと私自身の考えを拒んでる。
だって。
私に個性があったら、今この状況は生まれてない。
治崎さんとは出会ってない。
壊理とも出会ってない。
あるはずの無い妄想をしたって意味が無いのに。
『…さすが、ヒーローだね』
私のヒーローが治崎さんであったように、きっと彼は壊理にとってのヒーロー。
でもそんな彼は、壊理を救けてくれたと同時に私の居場所を“奪った”んだ。
『…ッ、』
「A、さん…？」
違う、彼がしたのは正しい。
私の居場所を奪ったんじゃない、壊理の居るべき場所を奪い返してくれた。
壊理が幸せになれると同時に、じゃあ私は幸せになれない…？
色んな想いが入り混じって、混乱して、わかんなくなって。
黙って下を向いた私に「大丈夫…？」と心配そうに伸ばしかけた彼の手を、
『やだ…！！』
───思わず振り払ってしまった。
それと同時に彼と目が合って、私はぐっと心臓を握られたような思いになる。
『あ、ごめ…ごめんなさい』
行き場を失っていた彼の手をぎゅっと握って私は謝った。
デクさんは何一つ悪くないのに、当たってしまって。
「大丈夫だよAさん、落ち着い…」
『ご…、叩いちゃって…ごめんなさい…』
かあっと頭に熱が回る。
色々な感情がグルグルと渦巻いてる。
壊理のことを救ってくれた彼への感謝と共に、感じるのは壊理を救えなかった自分への後悔、劣等感。
私の居場所を奪ったこと。
強い個性を持つ彼に嫉妬に近い感情を抱いてるのかもしれない。
とにかくその時は必死に謝ることしか出来なくて。
「あの、僕は大丈夫だから…」
「緑谷、席外せ」
乱れた呼吸に苦しくなってきたところで、相澤さんが私たちの間に割って入った。
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ゆきんこ - 治崎廻さんが私の一番好きなキャラクターなのですが、夢小説がなかなか無くて自給自足しなきゃなぁ、と思っていたところ、この作品に出会いました。この作品が大好きです！続きもすごく気になります。更新頑張ってください。応援しています！ (2020年9月22日 14時) (
レス) id: 622aa4e7f6 (このIDを非表示/違反報告)
碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜！更新頑張ってください！ (2020年3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！ (2020年2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品！めっちゃうちの読みたかったドストライクです！更新ファイトです！ (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
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