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────……
「無個性は無価値同然、死ねばいいのに」
「没個性どころか無個性の可哀想な子」
私を無いもののように扱う家族、陰湿な嫌がらせばかりするクラスメイト、見て見ぬふりな先生。
もう何もかもが限界で。
ああ、それならいっそ死んでしまえばいいって。
来世は幸せになれるといいなって。
そんな思いで。
ある晴れた日の昼。学校を無断で欠席した私は廃ビルの屋上に立っていた。
まだ若干寒さの残るこの季節。
風はほんのりと冷たくて、でも空は絵に描いたように真っ青で。
『………』
フェンスを乗り越えた先で下を見下ろした私は、小さく息を吐いた。
何故か、ひとつも怖くなかった。
持っていた携帯をぱっと目の前で離せば、遠い地面で砕けたのが見えた。
私も、今からああなるんだと決心して一歩踏み出そうとした瞬間だった。
「────ガキがこんなところで何してる」
背後から掛けられた声に、私は踏み出そうとしていた足を止めて振り返った。
そこに立っていたのは2人の男の人。
暗い紫色のファーが特徴的な緑色のモッズコートに赤いペストマスクを装着した短髪の人と、白のコートに顔全体を覆う金色のペストマスクを装着した人。
『な、にって…』
死のうとしていたなんて。
「ガキが来る場所じゃねえ。殺されたくなきゃ帰れ」
フェンス越しに重なる視線。
冷たくて、綺麗な瞳はしっかりと私を捉えている。
…マフィアか何かだろうか。
『じゃあ、殺してください』
気がつけば私はそう口走っていた。
ニコリと貼り付けた笑みに、目の前の男性が微かに目を細める。
「…何故だ」
『死にたいから』
青い空の下、簡潔なやり取り。
ちょうど良い機会だ。どうせ人はいつか死ぬし、それが早いか遅いかだけ。
“無個性な私はどうせ近い未来で為す術無く殺される”
“むしろ、みんなそう望んでる”
彼に聞こえるくらいの声でヘラヘラと語って見せる。
ここまで言う必要なんて無かったな、と我ながら後悔したその時。
「お前が今ここで死ぬ必要は無い」
抑揚のない冷静な喋り方。
さっきまでと同じ声のトーンで彼は言い放った。
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ゆきんこ - 治崎廻さんが私の一番好きなキャラクターなのですが、夢小説がなかなか無くて自給自足しなきゃなぁ、と思っていたところ、この作品に出会いました。この作品が大好きです！続きもすごく気になります。更新頑張ってください。応援しています！ (2020年9月22日 14時) (
レス) id: 622aa4e7f6 (このIDを非表示/違反報告)
碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜！更新頑張ってください！ (2020年3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！ (2020年2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品！めっちゃうちの読みたかったドストライクです！更新ファイトです！ (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
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