喧嘩 ページ5
はじめside
「夏祭り?」
「うん、美雪ちゃんから誘われちゃってさ。」
自宅で俺の部屋で夏祭りのチラシを片手にそう話す。
「行ってくれば?夏祭り。」
「え、はじめちゃんは行かないの?美雪ちゃんも来るのに。」
「え、なんで美雪なんだよ。」
「だってはじめちゃん美雪ちゃんの浴衣姿とか好きなんでしょ?」
「俺がいつそんなこと言った?」
「そんなのはじめちゃん見てればわかるし!」
そう言ったAは少し怒ってる様子。
「そうやってすぐ決めつけんの、やめた方が良いと思うけどな。」
「はぁ?もういいよ、はじめちゃんなんか知らない!
一生誘わないもん!夏祭りなんか!」
「あ、ちょ、A!!」
バンッ!
仮にも俺とAは付き合ってるけど、
たまに見せるアイツの嫉妬は予想以上に手に負えない時がある。
ほぼはぼ、勝手な嫉妬の方が割と多いんだけど。
「ったく、なんでこうなるかな。」
隣にあるAの部屋の前で止まってノックする。
「A、入んぞ。」
ガチャッ
「なに。」
「さっきの言い方はないとは思うけどさ…俺も、悪かったって。」
俺は双子の妹を前にするとかなり弱くなるらしい。
「…別にいいよ、三人で行くから。」
「三人?」
「美雪ちゃんと佐木君と私の三人!」
相当怒ってるのか、Aのやつ。
俺の顔を見てくれないし佐木の名前を出すし。
俺だってそこまでされると怒るわけにもいかねぇんだよな。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月31日 21時