▽ ページ7
Aside
表の扉から誰かが入ってきた。
「ごめんなさ〜い、すいません。ごめんなさい、ごめんなさい。
もう、遅くなっちゃって…。」
入ってきた着物の女性…弾田みるくさんと、
祭沢一心さんに冬野八重姫さんが驚いた顔をしていた。
「皆さん、お知り合いですか?」
「あぁ…なんとなくね。薔薇を扱う業界は狭いから。
そういうあなたは?」
「遠山と申します。」
はじめちゃんと顔を合わせて高遠を見る。
「普段は、フラワーアレンジメントをしております。」
いや、普通に用意周到じゃんか。
「こちらは僕の友人の金田一一君と、双子の妹の金田一Aちゃん。
それから…。」
「薔薇とオカルトに目がない真壁、誠です。」
元気よく自己紹介した真壁部長と笑い合う。
いやいや、そんなことしてる場合だっけ?
「青薔薇のお披露目は明日を予定しております。
お部屋を用意しましたのでゆっくりと、おくつろぎください。」
「「建物の形も十字架。」」
「お部屋は二階にございます。しかし少々古い建物でして、
鍵が紛失して通れないドアがございます。南端の部屋は、
開かずの間になっておりますのでご注意ください。」
「開かずの間…ステキ。この館自体がまさに、薔薇のラビリンス。」
「イタいのか?」
「…はぁ…ほんと、バカッ…。」
静かに頷いているはじめちゃんを、呆れた感じで見た。
全く…何してんだか。
90人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時