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Aside




表の扉から誰かが入ってきた。




「ごめんなさ〜い、すいません。ごめんなさい、ごめんなさい。
もう、遅くなっちゃって…。」




入ってきた着物の女性…弾田みるくさんと、
祭沢一心さんに冬野八重姫さんが驚いた顔をしていた。




「皆さん、お知り合いですか?」




「あぁ…なんとなくね。薔薇を扱う業界は狭いから。
そういうあなたは?」




「遠山と申します。」




はじめちゃんと顔を合わせて高遠を見る。




「普段は、フラワーアレンジメントをしております。」




いや、普通に用意周到じゃんか。




「こちらは僕の友人の金田一一君と、双子の妹の金田一Aちゃん。
それから…。」




「薔薇とオカルトに目がない真壁、誠です。」




元気よく自己紹介した真壁部長と笑い合う。
いやいや、そんなことしてる場合だっけ?




「青薔薇のお披露目は明日を予定しております。
お部屋を用意しましたのでゆっくりと、おくつろぎください。」




「「建物の形も十字架。」」




「お部屋は二階にございます。しかし少々古い建物でして、
鍵が紛失して通れないドアがございます。南端の部屋は、
開かずの間になっておりますのでご注意ください。」




「開かずの間…ステキ。この館自体がまさに、薔薇のラビリンス。」




「イタいのか?」




「…はぁ…ほんと、バカッ…。」




静かに頷いているはじめちゃんを、呆れた感じで見た。
全く…何してんだか。

▽→←▽



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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時

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