▽ ページ10
Aside
結局見ることになったけど、怖いからはじめちゃんの隣に座る。
「A、平気？」
「平気じゃないに決まってるでしょ！
私がホラー映画とか苦手なの小さい頃から知ってるでしょ？」
「まぁ…俺が居るから大丈夫！」
「心配しかない。」
「んな事言うなって。」
小声で話をするが、ドキドキも止まらない。
そして映画も始まって映像が流れる。
《呪ワレルがイイ…殺人鬼スコーピオンノ名ノ元ニ。》
「すごい。」
「この映画はアクションが評価されてね。
極み付きのシーンが、これだ。」
「…ん？」
なんだろう…今の映像の違和感。
はじめちゃんの方を見ると、首を傾げた様子だった。
「ここまで臨場感のあるシーンが撮れたのは、
真田がスタンド無しで跳んでくれたからさ。」
「えっ、スタンドなしで！？」
「まぁな。」
「もういいだろ撮影、再開するぞ。」
なんなんだろう、あの違和感。
もう一回、殺人鬼スコーピオンを見ないと納得しない。
「A、どうかした？」
「ううん、なんでもない。ただ…。」
「ん？」
「今の映画、なんか引っかかるんだよね。
ほら、屋上で途中飛ぶところ。」
「あっ、俺もそこ気になってたんだよね。」
「すっげー飛んでたよな！」
「Aちゃん、あんなことあったけど無理しないでね。」
「うん、へーきへーき。」
「あっ、あの〜ミス研の君たちも暇だったら雑用やってくれないかな？」
屋上の飛ぶシーン…なーんか、違和感。
この違和感がわかるまでは、もう少し先の話になる。
「ってことは、Aのセーラー服姿見放題！」
「は、はじめちゃんっ！！」
「もうなにやってんのよ！」
バチン！
「いってぇ！二人して殴ることないだろ！？」
私が軽くビンタした後、美雪ちゃんもはじめちゃんの頬をビンタした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 192人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年2月27日 8時
