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Aside
翌日の放課後、今日から撮影らしく体育館に集まっていた。
セーラー服か…一度着てみたかったけど、ほんとに良いのかな。
あの時ははじめちゃんに言われたからやるって言ったけど、
元々主演だったら黒河先輩に申し訳なさがある。
「へぇ〜あんたが部長のお気に入り？
素人に主役なんて務まるのかしら？」
「頑張ります。」
「みっともないまねはやめろ、黒河。嫉妬ほど憎いものはないぞ。
Aさん、彼女が君のライバル役をやってもらう、黒河美穂だ。
分からない時は彼女に相談するといい。」
…とは言ってくれたけど、相談できる雰囲気でもないよね。
「E！」
そんな声が聞こえて振り返ると、
はじめちゃんたちがコソコソと話をしてる。
嬉しいけど、やっぱはじめちゃんは美雪ちゃんのこと好きだもんね。
「よぉ！」
「何しに来たのよ？」
「Aちゃんのセーラー服姿みたいなって！」
「美雪ちゃんは大歓迎！はじめちゃんは来なくていい。」
「誰だよ、部外者が勝手に入って来んな。」
「部外者とは心外だな。ミス研部長の俺に断りもなく、
Aを勝手にスカウトしたのはどっちだよ！」
勝手に喧嘩始めるし…ほんとに、何しに来たの。
「あぁ…まぁ、いいじゃないかあの、見学者ってことで。
よしじゃあ撮影始めるぞ。」
「あっでも、まだ脚本の泉谷先輩が。」
「あぁ、あいつは抜きでいいよ。準備、お願い。」
「Aちゃん、頑張って！」
「うん、ありがとう！」
「A。」
はじめちゃんに話しかけられて振り向いたけど、無視してスタンバイの位置に着いた。
「(無視、無視された…！)」
「(はじめちゃんがあんなこと言うからでしょ！)」
「(美雪〜…。)」
「(はじめちゃんがどうにかしなさい。)」
「(佐木！)」
「(先輩、頑張ってください！)」
もう、ほっとこ。
どうせはじめちゃんにはわからないよ、私が思ってる気持ちなんて。
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作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年2月27日 8時
