双子の妹。1.【金田一少年の事件簿NEO】 (ページ37)

今日:1 hit、昨日:13 hit、合計:79,155 hit

▽ ページ37

Aside

「俺が部室の出入り口にまいた芳香剤の匂いが鍵についてたんだ。
そのことに気付いたとき、
バラバラだった出来事が一つにつながったんだ。」

「どうして遊佐さんがそんなこと…。蔵沢先輩達が、
あなたに何したって言うの？」

「2年前、行方不明になった本多景行は…私の実の兄よ。」

遊佐さんがようやく、認め始めた。

「どういうこと？名字も違うし。」

「私達が幼い頃に両親が亡くなって私とお兄ちゃんは、
別々の親戚に引き取られたの。
お兄ちゃんは、アクション俳優になるのが夢だった。
お兄ちゃんは中学卒業を気に高校には通わず、一人暮らしをし始めて…。
唯一の肉親だったお兄ちゃんだけが、私の誇りだった。
その日にお兄ちゃんが失踪して、警察に捜索願を出したけどお兄ちゃんと一緒に自主映画を撮っていたのが誰だかわからなくて…。
何も手掛かりが見つけられないまま、捜索は打ち切られて…。」

遊佐さんが手に持っていた巾着袋から、フィルムを一個取り出した。

「でも私は、諦め切れなかった。
お兄ちゃんは、監督が同い年って言ってた。
ずっと自主映画を撮っている高校生を探し回ってたら見つけたの。
この学校の文化財で。その映画を見た時確信したの。
顔は見えないけど、ビルを飛んでいるのはお兄ちゃんだって。
でも、スタッフロールにもパンフレットにもお兄ちゃんの名前はなかった。」

本多さんがビルからビルに飛びうつったとき、
そのタイミングで突風が来てビルの下に落ちてしまった。