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Aside
「俺達がそのことに気付いたきっかけは、
使われなくて余った睡眠薬入りの紙コップの数だ。」
「紙コップを使って烏龍茶を飲んだのは、全部で11人。
13個入りの紙コップを11個使ったら、残りは3個だよね。
でも、紙コップは四つ余ってた。何故か？」
「それは犯人が13−11=2ではなく、急遽3にしなければならなかったからだ。」
「13−11=3？」
畠山さんの言葉に頷き、私が推理を続けた。
「蔵沢先輩がみんなを集めた時に起きたデッカイアクシデント。」
「何だよ？アクシデントって。」
「真壁先輩だけが、一人あの場所に来なかったことと…。」
「あっ？」
「はじめちゃんが剣持さん達を二人呼んだことだよ。
犯人の計画の中ではあの時、紙コップを使う人数は全部で10人の予定だった。
専用のマグカップを使う蔵沢先輩を除いて映研部員が5人。
そして私達、ミス研が5人。」
「5人足す5人で10だよな？真壁部長ひとりが遅刻したことと、
剣持のおっさん達、二人が来たことは計算外だったんだ。
事件後の調べでは、使ってない紙コップにも睡眠薬が入ってた。
でも本当は一個だけ、睡眠薬を仕込んでない紙コップをある順番で中に入れておいたんだ。」
「それを自分が取るつもりでいたんだよ。でも、
人数が一人増えたのでこのままだと、自分が睡眠薬入りの紙コップを取る事になる。
そこで、とっさにここにあった紙コップを一つ取って、
バレないように睡眠薬は入れると封を開けたばかりの13個入りの紙コップの上にさりげなく重ねた。
自分が取る紙コップの順番を変えないためにね。」
ほんとよく考えたよ…はじめちゃんとこの謎解き、
考えるの大変だったんだから。
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作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年2月27日 8時
