双子の妹。1.【金田一少年の事件簿NEO】 (ページ32)

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Aside

みんなを映研の部室に集め、
剣持さんに頼んで黒河先輩も連れてきてもらえることになった。

「はじめ、A、連れてきたぞ。それと、これ。」

「にしてもクーラーないと暑っちぃな、この部屋。」

「ねぇ、何か飲み物ある？」

「はい。」

「ごめんね、Aが我儘で。」

バチン！

はじめちゃんの肩を強めに叩き、思いっきり睨む。

「(睨んでも可愛いんだよな。)」

「あ、ありがとう。」

はじめちゃんが痛がってるのは無視して、紙コップを遊佐さん受け取る。

「あ、ちょっと待ってね。まだ注がないで。」

「あぁ…はい。」

「今みんなが持ってる紙コップが、この事件の真犯人を俺達に教えてくれる。」

「そう、殺人鬼スコーピオンはこの中にいる。
蔵沢先輩達が亡くなった時のことを思い出して欲しい。
私達は睡眠薬入りの烏龍茶で眠っちゃったけど…あの時、
睡眠薬を飲んでない人間が一人だけいたの。
そいつが真犯人だよ。」

「それ、どういう意味だ？」

「そいつが一緒に寝たふりをして俺達が眠るのを待ったんだ。
その後、あの密室をつくり上げたのさ。」

「でも、我々が飲んだ全ての紙コップから睡眠薬が検出されたんだぞ。
はじめ、A、それは不可能じゃないか？」

「「できる、あるトリックを使えばね。」」

はじめちゃんと顔を合わせて、頷きあった。