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悪役___天竜人という立場であればこそ、私は余りある財産で人を助けられるし、その権力で今いる人間達を解放することもできる。
この悪役令嬢という立場を甘んじて受け入れよう。
悪役として生きていこう。
____________
『………っう』
眩しい光を感じて思わず顔をしかめる。
あれ、もしかして眠っていた?
ゆっくり目を開くと、見たことのない白い天井が映った。天竜人の住むマリージョアの部屋__ではない。かといって転生する前の私の部屋でもない。
ここは一体…
そう思い起き上がろうとして、あることに気付く。
『……っ鎖!?何で!?』
両手両足全く身動きが取れず、動かすたびにガチャガチャという金属音が響く。
文字通り、磔にされている状態だった。
『何がっ…起きてるのよ……!』
直前までの記憶がまるでない。
いつものようにヒューマンショップで人間を買って解放して、それから___あぁダメだ。記憶にもやがかかってるみたい。
その後も何とか抜け出せないかと試行錯誤してみたが、結局体力を無駄に消費しただけだった。
疲れ切って、ただ大人しく寝ているその時
どこからか扉が開く音がした。
「フフフ何だ。目ェ覚めてたのか」
声色からして男。
声の主はそのまま近づいてきて私の顔を覗き込んだ。
身長3メートルはあるだろう大柄な男。
金髪、サングラス、ピンク色のモフモフのコート。
随分とキャラが立っているが、あいにく私のお知り合いリストには載っていない人物だ。
『目的は身代金?それとも復讐?後者の場合は個人的な恨みか天竜人全体への恨みなのかは殺す前に教えてほしい』
「おいおい。天竜人の独特の言葉遣いを忘れてるが良いのか?」
『……あます』
「フフフフフフ!」
あます言葉を使い忘れてたら誘拐犯から指摘された。
無理矢理付け足したらめちゃくちゃ笑われた。どうすればよかったんだ。
「フフフ。いや何だ。ウチの店に御贔屓にしてくれている天竜人がいるって聞いてな」
ウチの店……。
こんなヤクザが経営してる店って…
そこまで考えてハッとする。まさか
「ドンキホーテ=ドフラミンゴ。お前がよく行くヒューマンショップのオーナーだ」
この人が
人が人を売り、人が人を買う
そんな狂ったシステムを作り出した元凶なのか。
目を見開いた私を見て、男はニヤリと口角を上げた。
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りんす(プロフ) - がああああああああルッチ最高かよぉ (2022年10月23日 18時) (レス) @page45 id: 4a6f5c0ec0 (このIDを非表示/違反報告)
矢車菊(プロフ) - ヤンデレありがたい…!凄く好きです(*´∀`*) (2022年8月12日 22時) (レス) id: 0b94572497 (このIDを非表示/違反報告)
kuromado1karen(プロフ) - 主人公ちゃんの容姿どんな感じかな? (2022年7月3日 9時) (レス) id: 069b817a50 (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - みみうさぎさん» 光栄です!ありがとうございます! (2021年9月18日 23時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
みみうさぎ - 大好きです!頑張ってください! (2021年9月17日 14時) (レス) id: 8d5ca27f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:礼 | 作成日時:2020年4月20日 19時