〈2〉病んでる海賊達の短編集【ワンピース】 (ページ24)

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可愛いに囚われる【ペローナ】ページ24

「もーやだー！こんなところに1人でいるのー！」

ペローナは1人空に向かって叫んだ。

暗くて湿ってて
怨念うずまく古城のほとりで
呪いの歌でも歌って過ごしたい

七武海のバーソロミュー＝クマに旅行に行くならどこに行きたい？と聞かれて素直にそう答えた。
その結果、まさか同じ七武海である“鷹の目”ジュラキュール＝ミホークの本拠地である島に飛ばされることになるとは思いもしなかった。

確かにここは暗くて湿ってるし、古城があるけれど。……全然可愛くない！！
この島の主である鷹の目もオッサンで、全然可愛くないし！出てくる料理も本当に可愛くない！
客人のアタシにスイーツの一つでも出してみろってんだ！

「誰でもいいから話し相手が欲しい！ん、やっぱ誰でもは嫌」

同年代の女の子がいい！可愛い女の子がいい！

そう言って両手を振り上げた瞬間、流れ星のようなものが煌めいて落ちていくのが見えた。

ドォオオオオオン！！

何かが落ちたかのような衝撃音。
城の中にあるであろう鷹の目にも聞こえただろう。
鷹の目が来る前に、先に様子を見に行っちまおう。ホロホロの実の能力で幽体化し、空を飛んでその場に向かう。

その場の光景を見て驚いた。

「女の子！？」

そこには見たことない格好をした女の子が倒れていたのだ。顔を見る限り10代だろう。私と年齢が近いように思える。

まさか本当に神様がいて、私の願いを叶えてくれたのか？

『……っう』

「おい！大丈夫か！」

パッと見、怪我はしてなさそうだが

幽体化のままだと運べないし、急いで鷹の目の元へ向かってこのことを伝えた。

女は名前をAといった。
ニホン？という場所から来たっていうけれど、どこなのか全く分からない。

Aは可愛いことをいっぱい知っていた！可愛い料理やスイーツ！可愛い髪型や可愛いメイクのやり方！
『ペローナちゃんは原宿ファッションが似合いそう』と言って、全身コーデをしてくれたこともあった！めちゃくちゃ可愛かった！写真撮りまくっちゃった！

Aが来てからめちゃくちゃ楽しい！スリラーバークにいた時も同年代の女の子はいなかったし、同年代の女の子と喋るのがこんなに楽しいとは思わなかった！
こんな日がずっと続くと思ってた。

『ペローナちゃん！私、元の世界に戻れるかもしれないの！』

Aからその言葉を聞くまでは。