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『…っん……』
目を開けると、そこは雪国だった。
というのは冗談だが、とにかく真っ白の空間にいた。まるで雪かと思ったのはそのせいだ。
『……こ、れ』
両手で床をペタペタと触ってみる。これは…お餅だ。モチモチしててちょっと柔らかい。
このような不思議な能力を使える人を、私は1人知っている。
「気づいたか」
『カタクリ…さん』
まいったな。昨日、ブリュレにカタクリさんとの恋愛事情のことを聞かれたばかりだからか、顔合わせるのがちょっと気まずい。
『えっと、あの、ここは』
「…俺の能力で作った社の中だ」
やしろ。つまりは餅で作った家のようなものか。
確かに質問の返答には、なっている。しかし私がこの社にいる理由がまるでわからない。カタクリさんは理由もなくこんなことをする人じゃない。
そこまで考えて私は、1つの可能性を思い出した。同時にサッと血の気が引くのを感じた。
いや、そんな、まさか
『どうして、ここに』
声が上擦る。
私の勘違いかもしれない。ほら、私って勘そこまで良くないし。
だけど、よくない勘ほど当たりやすいというもの
「昨日、ブリュレから話を聞いた」
『!!』
「お前が俺に振り向かないのは、俺との体格差が原因だそうだな」
ゴクリと唾を飲む。
彼は怒っているんだ。
恋愛対象の範囲外にいるにも関わらず、どっちつかずの態度を取っていた私に対して、弄ばれたと思って怒ってるんだ。
そう思った。
だけど違った。
怒ってくれていた方が何倍もよかった。
彼は喜んでいたのだ。
「体格差が気にならなければいいんだろう?」
『……え』
何を言ってるのか分からず、カタクリさんの顔を見ていると彼はフッと笑って私に顔を近づけ、言った。
その言葉を聞いた瞬間、私の顔は恐怖に歪んだ。
「俺のモノを受け入れられるよう調教してやる」
そうすればもう体格差なんて考える必要がないだろう?
そう言って壊れ物を扱うかのように、私の頰を優しく撫でた。
抵抗しようとした私の手足はいつのまにか、白い餅に囚われていて動けなくなっていた。
数分後、少女は力の限り泣き叫ぶことになる。
身体を裂かれるほどの痛み。
想像を絶するほどの痛みに。
しかし、それは何重にも積み重ねられた白の壁に阻まれて外には届かなかった。
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Y - めっさスコ…ッ‼︎ドレークの小説もっと増えて! (2023年1月6日 11時) (レス) @page27 id: 627083527a (このIDを非表示/違反報告)
「 」(プロフ) - 凄い、性癖にささる文章ばかり……… (2020年5月2日 16時) (レス) id: 28c7dd04d4 (このIDを非表示/違反報告)
軟骨(プロフ) - ホーキンスとルッチが大好きです、、!!最高です!!! (2020年3月29日 2時) (レス) id: d947939996 (このIDを非表示/違反報告)
mikuri1024(プロフ) - お疲れ様でした!一番好きなキャラはクロコダイルなんですが、話は異世界ミホークと救世主ホーキンスがツボでした(//∇//)もし続編出たら必ず読みいきますね!沢山のヤンデレ作品ありがとうございました! (2020年3月28日 23時) (レス) id: e18f624388 (このIDを非表示/違反報告)
だてこ(プロフ) - お疲れ様でした!どの話もおもしろく、毎回更新通知がくるのを楽しみにしていました。なかでも1番好きなのはクロコダイルさんの王国崩壊です!たくさんのドキドキと興奮をありがとうございました! (2020年3月22日 0時) (レス) id: c248856c61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:礼 | 作成日時:2019年8月24日 17時