七人目の六年生の話参

学園長の庵　鉢屋side ページ37

「やれやれ全く…話を最後まで聞かんか馬鹿者
どうせ闇雲に探した所でAは見つからんよ」

「…ですが、タソガレドキが絡んでるならタソガレドキに行けばいいのでは？」

「お主がタソガレドキに着いた頃にはもうおらんさ。それよりも予測して先回りした方が早い」


学園長は俺を見る。小さく頷き口を開いた


「鷹尾先輩は、2年前に私の姉を殺し学園を襲った賊を探してる。タソガレドキの情報網を借りてな」


俺は自分の知る全ての事を話した。

鉢屋家の事と鉢屋家生き残りであったほたると自分を標的に学園が襲われた事

そして、その襲った賊ごと鷹尾が見つけ出す為に学園を出た事


「見つけ出すだけが理由なら何も学園を辞めなくても…」

「探す事で連中はAを狙う。その時、自分を追って忍術学園に来てしまえばどうなるか……」

「2年前を、くり返す」

「！！」


その場にいる全員の顔が強張る。
もはや語るまでもない2年前の惨劇

蘇る血に濡れた忍術学園の情景


「だから、学園を出たってのか？Aは」
「ほたるさんとA先輩って恋仲じゃなかったんだろ？そんな過度に関わる必要無くないか？」

「そこなんだよ」


俺は学園長を見る。
俺の知らない事実…いや、それ以上先の事情もこの人は知っているに違いない



「ずっと、気になってた。
刺客に襲われた時も、忍術学園が2年前襲われた時も
鷹尾先輩は、必死になって俺達を守ってた

自分の命をかけて」


恋仲でもない、ましてや身内でもない
そんな俺や姉さんにどうしてあそこまでするのか



「うむ。そうじゃな」


全員の視線が学園長に集まる


「こんなに大事になってしまった今、話さないのも難だし……いいじゃろう。しかと聞け」


学園長の重たい言葉に、俺は直感で思った


今から俺は…俺達は、とんでもない事実を知る事になると






「鉢屋家とAとそれから

“本物”の鷹尾Aとの因果関係を」

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