お館様の尊敬する炭治郎の義理の兄はーーらしい〜其の弐〜

第十七話薙刀から太刀へ ページ29

それは突然起こった。ある日の夜の事。いつも通り鬼を斬っていた縁。最後の鬼を倒したところ最後の悪足掻きか何らかの血鬼術が発動して薙刀の柄部(持ち手の部分)が真っ二つに折れてしまった。本来ならば縁の力を持ってしても折れない薙刀なのだが折れてしまったのは致し方ない。縁は刃の部分だけを溶かして太刀に変えて貰えないかと炭治郎の刀を担当した刀鍛冶師である鋼鐵塚にお願いをしに行った。

鋼鐵塚「俺が鷹筆さんの太刀を？」

縁「うん。君の刀への想いはおそらくこの里の中でも頭一つ上だと思う。そんな君だからこそ頼みたいんだ。それに炭治郎のも君がやっているからね。頼めるかな？」

鋼鐵塚「勿論です」

鋼鐵塚は折れた薙刀を貰うとすぐさま作業に取り掛かった。縁は刀を打って貰っている間は里の宿で休んでいる。それから数日後。縁は鋼鐵塚の家を尋ねた。日輪刀が出来たと鴉から連絡があったからだ。

鋼鐵塚「出来ました」

渡された太刀はそれはそれは見事な出来栄えだった。例えばそう、天下五剣と名高い”三日月宗近”や”数珠丸恒次”のような素晴らしい作品に匹敵する。

縁「これは！！」

受け取った縁は思わず驚きの声を上げる。それ程までにこの刀は凄いのだ。ゆっくりと刀を鞘から抜く。完全に抜かれた刀はその色を青漆色に染め上げ墨が飛び散ったような模様が浮かび上がる。

縁「良い刀だ。礼を言うよ鋼鐵塚君」

鋼鐵塚「ッ！？ありがとうございます(いくら鷹筆さんでも折ったら許さん！)」

第十八話 生を断つ薬→←番外編五話 不死川玄弥誕生日祭

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す