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すると縁が惹かれたように商品棚の一角を見る。そこには硝子細工で出来た紫の簪があった。飾りとして一匹の蝶がとまっている。
縁(これ、胡蝶ちゃんがつけたら可愛いだろうね。ぜひ見てみたい)
縁は商品を取って胡蝶が店主から離れた隙に勘定をする。
縁「これをひとつ貰えますか?」
店主「はい、勿論。贈り物ですか?宜しければお包み致しますがどうしますか?」
縁「いや、このままで大丈夫ですよ。すぐにつけてもらうので」
店主「分かりました」
勘定を済ませると懐に隠す。胡蝶もお目当てのものを見つけて勘定をする。店主な礼を言ってその店から出た。外に出ると空は真っ赤に染まっていてところどころ雲が浮いている。太陽は沈みかけて上の方は青くなる。縁は胡蝶に送ると言って少しばかり強引に帰路につく。時間が経って蝶屋敷が見えてきた。その頃にはもう空は真っ黒になって星が輝いている。
胡蝶「今日はありがとうございました。とても良い時間を過ごせて良かったです」
縁「こちらこそ楽しかったよ。……あぁ、忘れるところだったよ。胡蝶ちゃん、ちょっと動かないでね」
胡蝶「?……!?」
名前をちゃんと呼ばれて驚く胡蝶。頷くと共に縁の手が胡蝶の頭に優しく触れる。距離も縮まり胡蝶からは縁の胸板が目の前にある事になる。急なこと続きで反応が出来なくて若干混乱をする。縁は懐から先程買った髪飾りを取り出して自分から見て右側に髪飾りをつけてあげる。つけ終えると一歩下がって胡蝶を見つめる。
縁「うん。思った通りだ。とても似合っている」
胡蝶「え?」
胡蝶は縁が触れていた部分に自分も触れてみる。そこには硬い何か。髪飾りがあった。
縁「後で鏡を見てみて。とても可愛らしいから。それじゃ僕は失礼するよ」
胡蝶は可愛らしいと言う言葉に爆発したように顔を真っ赤にして誰かに見られる前にと部屋に急ぐ。部屋にある鏡を見てみるとつけられた髪飾りに目がいく。
胡蝶「ッ〜〜〜ずるいです」
さらに顔を赤くした胡蝶。この時。否、それよりも前から胸の奥底にあった気持ちに気づいた時だった。
大正コソコソ噂話
胡蝶「ッ〜〜〜ずるいです」
カナヲ「師範?どうされましたか?顔が赤いですけど?」
胡蝶「!?なんでもないですよ(今度縁様と呼ぼうかな?はっ?!私は何を考えて。でも自分の気持ちには気づいていますし。でも……)」
カナヲ「師範?(こんな迷っているの初めて見た)」
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神夜の羽織(プロフ) - 下で話していたパスワードのかかったお話を個人的な都合で削除することになりました。待っていてくださった方々には大変申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます (2020年3月4日 14時) (レス) id: d57f708b28 (このIDを非表示/違反報告)
神夜の羽織(プロフ) - ありがとうございます (2020年2月28日 1時) (レス) id: d57f708b28 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - いいですよ^_^どの作品もいつも楽しみに待ってます(≧∀≦) (2020年2月28日 0時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
神夜の羽織(プロフ) - お返事を待ってます (2020年2月27日 18時) (レス) id: d57f708b28 (このIDを非表示/違反報告)
神夜の羽織(プロフ) - それは本当に暇つぶし程度のもので自己満足です。それでも大丈夫ならば今の其の壱のリメイク終了と共に公開します。それでも宜しいでしょうか? (2020年2月27日 18時) (レス) id: d57f708b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神夜の羽織 | 作成日時:2019年11月6日 23時