＊＊＊ ページ24
縁は炭治郎が行ったあと一人で山を登った。暫くすると真っ二つになった岩の上に座る錆兎とその下にいる真菰を見つけた。普通なら見えない二人を霧があの世とこの世を曖昧にしてくれた。
真菰「錆兎、炭治郎。勝てるかな？」
錆兎「わからない。努力はどれだけしても足りないんだよ。知っているだろうそれはお前も」
縁「初めまして」
真菰.錆兎「！？！？」
縁は気配を消して錆兎の後ろから覗き込んだ。二人はいきなり現れた縁に驚いて声も出ない。
縁「君達が炭治郎を育ててくれたんだよね。ありがとう」
錆兎「……貴方は？なぜ俺たちが？」
縁「僕は炭治郎の兄。名を鷹筆縁という。僕は化け物だから君達を見ようと思えば見えるよ。それよりも素顔を見して欲しいかな」
錆兎「っ！」
気がついたら錆兎のつけていた面は縁の手の中にあった。何時動いて何時取ったのだろう。自分達より得体の知れない何かがそこにあるのがわかった。
錆兎「炭治郎に近づいて何をするつもりだ」
錆兎は何処からか刀を持ち出すと構える。真菰も刀を持っており縁の周りには他の子供たちも刀を持って囲んでいる。一髪触発。
縁「何もする気は無いよ。強いて言えば僕の恩返しのようなものだから」
真菰「恩返し？」
縁「そう。僕は鬼の始祖よりも長生きしていてね。ある時炭治郎の祖先に助けて貰ったんだ。とても大きな恩を受けた。他の人は僕を邪険に扱っていたからね。
だから僕は彼の子孫を未来永劫守ろうと決めた。だけど何か狂いか歯車が回り始めたのかわからないけど炭治郎と禰豆子以外が殺された。殺されるはずなんて無かったのにね」
錆兎「お前のせいじゃないよな」
縁「それだったら既に竈門家は滅んでいるよ。彼の一族は僕が鬼から守ってきたからね」
真菰「じゃあなんで炭治郎の家族は死んだの？」
縁「わからない。さっきも言っただろう。でも、もしかしたら＊＊かもしれない」
縁は途中で言葉を切って重要なところを言わずに空を見上げる。錆兎や真菰達は既に刀を収めて同じように空を見上げた。縁はゆっくりと後ろを向くと歩き出した。錆兎達はあの化け物が何なのかは分からなかったけど炭治郎に危害は無いと理解した。
錆兎「何なんだ？アイツ」
真菰「わからないけど炭治郎に危害はないと思うよ。だってあんなに優しそうだったんだから」
錆兎「……そうだな」
真菰「ねぇ！あの人について行ってみない？強そうだし、もしかしたら義勇に会えるかも！」
錆兎「賛成」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神夜の羽織 | 作成日時：2020年8月9日 9時
