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一瞬で後ろに回った縁は煉獄の首元に木刀を添える。もしも真剣ならば既に煉獄の首から上はないであろう。
伊黒(何なんだ今のは!早い早すぎる。一体どうやったらあんなに早くなれるんだ!)
煉獄「むぅ!?いつの間に……俺の負けだ!疑ってすまなかった!」
縁「大丈夫だよ。それより、名前は?」
煉獄「煉獄杏寿郎だ!良ければこれからも手合わせ願いたい!」
縁「んー、僕なんかで良ければ喜んで。これからよろしくね、時獄君」
煉獄「よもや!俺は煉獄だ!」
和解?した2人は何やら楽しそうに話しており他の柱がいることを忘れている。その中で1人、煉獄が負けたことに納得がいかない者がいた。その者は日輪刀を抜いて縁に斬りかかった。
煉獄「!?何をやっているんだ!不死川!」
斬りかかったのは不死川だ。縁はまるでわかっていたかのように煉獄の腰にある刀を抜いて太刀打ちした。煉獄の刀を使った理由は何となくだ。
縁「危なかったぁ。煉獄君、刀を借りるね」
そのまま打ち合いになっていく。不死川が攻撃をするのに合わせて打ち流すだけの縁。だんだん不死川の眉間にシワがよっていく。
縁「顔が般若みたいだよ。だんだんと打ち込みが弱くなってきた。初めの方に力を入れすぎたからだね。速さばかりで力に勝てないと思ったの?心外だね。これでも十二鬼月は簡単に倒せるよ。さて、まだやるかい?」
不死川「クッ……」
不死川は距離をとって刀を収める。息は上がりきって肩で呼吸している状態だ。今までこんなに追い詰められたことはほとんどないだろう。
不死川「はァ……はァ……(俺はこんなに息が上がってんのに向こうは汗ひとつ見せずねェ。まるで全て分かっているかのように。それに……この人の声を聞くと心が暖かくなる。まるで……)」
不死川は刀を鞘ごと腰から抜くと自分の横に置きながら縁の前に跪いた。
柱-不死川「っ!?」
不死川「数々の非礼をお許しください。貴方様がこれ程の強者である事が信じられなかったのです。これからは貴方様を信じ手足となりましょう」
不死川がお館様に接するように縁に跪く。いつも短気で怒鳴り散らし人を見下すような態度とは全く違う。それも初めにあった時とは正反対だ。
縁「えっと……手足にはならなくてもいいかな」
不死川「え……」
縁「なんで悲しい顔をするの!?」
宇髄(オイオイ!これが不死川か!?全然違いすぎるだろう!?今のこいつの顔は犬が捨てられそうになった時の顔だぞ!?)
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作者名:神夜の羽織 | 作成日時:2020年8月9日 9時