第二話 旅立ちと知らぬ誰か ページ11
縁は近くの洞穴に禰豆子が日光に当たらないように入れると入口のところでもたれ掛かる。炭治郎は近くの家で籠を貰ってくると言っていたので、一応小銭を持たせておいた。しばらくして籠や藁に竹を持ってきた炭治郎。
縁「直せる?」
炭治郎「うん!出来るから見てて!」
禰豆子は洞穴の中に穴を彫って入っている。炭治郎と縁が土竜だと思ってしまったのは仕方がない。
縁「うーん、夏子は籠より大きいね。入るのかな?これ、」
炭治郎「禰豆子だよ。ん?禰豆子、お前大人の女の人くらいに大きくなったどろう。あれと逆に小さくなれないか?」
縁「え、そんなことできるの?」
炭治郎「多分。……小さく、禰豆子、小さくなれ」
すると足をばたつかせながら禰豆子は体を小さくして籠の中に入る。
炭治郎「えらいえらい。いい子だ禰豆子。凄いぞ」
縁「うんうん。凄いね」
2人揃って禰豆子の頭を撫でる。禰豆子は目を細めてニコッとする。そのまま籠を布で巻き歩き始める。縁は考えていた。
縁(守ると決めたもののこのままでいいのだろうか?確か、鱗滝とかいう人物は元柱とかなんとかって耀哉君の手紙にあったはず。可愛い子には旅をさせよともいうし態と2人にしてみるか?もしも死にそうになったら"あれ"が助けるはずだし)
縁はその場で立ち止まる。立ち止まった縁に疲れたのかと聞いてくる炭治郎。
縁「いや、そうじゃないんだ。……ねぇ炭治郎。此処からは2人だけで行ってみるかい?」
炭治郎「え?どういうこと?しかも、名前」
縁「これから炭治郎と禰豆子には沢山の試練が待っていると思う。そこには僕はいないことが多いだろう。鬼狩りになるなら別任務が多いと思うし。だから、2人だけで行ってみるんだ。心配しなくて大丈夫、僕は何処からか見てるから」
そんなことを言う縁に戸惑いを隠せない炭治郎。今、炭治郎は脳内で何が1番いいのかを考えているだろう。けど、この子のことだ。すぐに決めると確信している。
炭治郎「わかった、此処からは俺と禰豆子。2人で言ってみせるよ。だから、兄ちゃんは待ってて」
縁「あぁ、先に鬼殺隊に入っているよ」
炭治郎「(えぇ!?そうなるの?)わ、わかった」
縁は背負っていた籠を炭治郎に渡して前を進んでいく炭治郎の後ろ姿を見つめる。
縁(絶対に死んではだめだよ)
縁は本当にばれない距離から二人を見つめて追いかける。炭治郎はさっき別れた兄が一緒にいるなど想像も出来ないだろう。
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作者名:神夜の羽織 | 作成日時:2020年8月9日 9時