STAGE～私は君を見つけます～ (ページ7)

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TEST as LIVE～駄目演奏～ページ7

演奏が終わったところで、ちょうど5分前になっていた。
「やり残した事はないよな？もう行くが」
「全く」「全然！」『なにもない』
「よし、じゃあ行こうか！」

「おぉ、カッコイイなぁ！」
コウは、準備を始めるMYOを眺めながらそう喝采した。
「静かにしてコウ。うるさいわよ」
騒ぐコウに向かって、ヨシは腕組みをしながら言う。
MYOの演奏に集中しているのか、さっきより眉を潜めている。
「あの子達が良い演奏をできるとは思えないけど」
「何言ってんだ、ヨシ。かっこいい演奏...いや歌だと思うぜ？」
「まだ聞いてないのによく言えるわね。もしや、聞いたのかしら？」
「さっきな！たまたま演奏してたんでな」
ヨシは、いつものテンションをどこかに消し、苛立ち気味にそうコウに言った。
コウは、ニコニコとしながらヨシに返答する。
「準備終わりました」
セッティングが終わったことを、キラが知らせに来ると、スカブルメンバーは、ステージの前まで行き、用意しておいた椅子にそれぞれ座り込んだ。
「えっと...頑張るので、聞いていてください！」
スカブルが全員座ったのを確認して、ユイはそう一言言った。
そしてユイは、勢い良く息を吸った後に、歌い始めた。

「・・・」
MYOの演奏を、嫌そうな顔をして見ているスカブル。
気持ちよく歌っているユイに比べて、キラもカイもアキも、めちゃくちゃな演奏をしていた。
音を外すなどの失敗は一切しないのに、なぜか楽しそうではない。
盛り上がれるような演奏をしていない。
「やっぱダメだったか」
「さっきもダメだったのね」
「全くカッコよくねぇな。強いて言うならユイしかカッコよくねぇ」
「言わせてもらうと、ユイもダメダメだよ」
「この子達を１から指導するなんて嫌よ」
「まぁしょうがないんじゃないか？ユイはともかくカイも」
MYOの演奏を片耳に入れつつ、スカブルメンバーはそう会話していた。
「教えたつもりよ？ちゃんと」
「まぁやる気が感じられないっつーかなぁ」
「聞いててイラつく。気持ちよくない」
「まぁ...そうなんだがな...」
スカブル全員がため息を同時にしていると、それに気づいたのかユイがもっと盛り上げようとしてきている。
「・・・めちゃくちゃよ。演奏がダメなんだから」
「頑張りやかよ、ユイ」
「もう聞いてて呆れる。辞めさせてよ」
「無理無理。多分辞めさせても止まらないと思うよ。演奏は止まるだろうけど、歌はね。」
「・・・もう勝手にして」
「やらせとこうぜ」