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SUMRME LIVE〜彼に負けたくないんです〜 ページ38

「あぁ…まぁ。オリジナルが作れたのも、和音が入ったからだし…」
「だろ…?二人になって曲も作れないから、嫌になって辞めたんじゃね?で、大学でバンドが組めたとか」
「すみませんでした。兄がご迷惑かけて」
セイとコウの会話の間には言って、キラがそう言った。
「俺、文化祭とか依頼のイベントに兄さんの誘いで行ってて…それでブルアーズが作った曲とか好きだったんです。大学も一緒かと勝手に思って期待してたんですけど、まんまと裏切られた感じで。大学が別々なのだろうと良く理解していなかった自分でしたが……セイさんと会ってそれを聞いた時、ものすごく兄が苛立たしくて…」
キラは、1人でそう語り始める。
「だから俺、兄の事とかなにも聞きたくなくて…。ブルアーズで1人で作曲してる兄が好きだったのに、TE-MAで活動し始めてから、ブルアーズのような曲が一切なくなって、なんか兄と一緒にされたくなくて…。ホントにすみません」
電車に揺られながらキラは、セイとコウに頭を下げた。
「・・・」
そんな3人の会話に入っていけず、ただボーっと立っているだけのアキ。
自分の姉も、高校の時に部活でアキと同じドラムをやっていたの思いだす。
確かに姉に憧れた。姉に憧れていたからこそ、カイの頼みを引き受けたのだ。
自分とは少し違うキラの兄の存在に、なぜか心が痛くなった。
「俺、TE-MAに入った兄に負けたくないんです」
「だろうと思ったよ。思ってた。俺だって負けたくないさ。ブルアーズだったあの頃とは違う、スカブルできちんと活動してるんだ。負けたくない」
「・・・」
「だから、兄のことはもういい…。と言おうと思ったんだがな…」
コウは、頭をポリポリと掻きながらそう言って、一度思い切り空気を吸い込んだ後に言う。
「ヨシが、TE-MAを今度のサマーライブに呼ぼうとか言いだしてな」
「え?」
「俺の腐れ縁の友人、キラの兄がTE-MAにいるって話したら急にな」
コウは、頭をポリポリと掻きながらそう言う。
「それをたまたま聞いてたからな…」
「すいません。奴当たってしまって」
「いや…それはいい。無理もない…。だが、ヨシは言いだしたら聞かないんだ」
「はい…」
「今お前は、負けたくないって言ったな?」
コウは急に、キラの顔をじろじろと見ながら、聞く。キラは、こくりとうなずいた。
「なら、勝とうぜ?あいつらに。TE-MAに」
「勝つってどうやって…?」
「デュエルギグみたくするのさ!そうでなくても、戦いのようなライブをすればいい」

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作品ジャンル:その他, オリジナル作品
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作者名:Hi-chan | 作成日時:2017年6月27日 16時

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