STAGE～私は君を見つけます～ (ページ18)

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thank as LIVE～みんなが一つになっているから！～ページ18

なにも違わないはずなのに、何かが違う。ＣＤがすでに良い物であるのに、目の前のそれがさらに良いものと感じる力。
『何色の空を待ってるんだ？叶えられない夢の色物語でもできるなら僕が叶えてやるよ』
考えていても、ただただ『WING in SIDE』が聞こえてくる一方で答えは一向に見当たらない。
いつの間にか、曲は終わりにさしかかっていた。
『「君はひとりじゃない」』
「あっ！！」
ユイは、その一つの歌詞で、あることを思い出す。
「みんながいるからですよきっと！CDだと、実際に収録するのはボーカルだけだったりしませんか？」
『あ～確かに、この間見させてもらった時そうだった気がするなぁ。ライさんだけが収録してたな』
「だからなんですよ！確かにそばにはいますが、みんなで演奏してないからなんです！、今この演奏は素晴らしいんです！」
ユイは、大きな声をあげながら、そう話しだす。
「そうよ。その通りよ」
いつの間にか曲が終わっており、ヨシはニコニコとみんなの話しに割り込む。
「でもね、それだけじゃないのよ。まぁ意味はそれなんだけど…。ライはね―――」
「ヨシが話さないでよ。私が話すから！」
「恥ずかしがってたからアタシが代わりに言ってあげようかと思ったのに～」
「いいからそういう気遣い！いらないから！」
ライは、そうヨシに告げると前に出てきて話す準備を始める。深呼吸をしてから、ライは自信ありげに話しだした。
「私、みんながいないから、わざとホントの歌声を出さないのよ。みんなの楽器の音なのはわかるけど、そばで演奏してないから、ひとつじゃないから出せないの。だから多分、ＣＤの方はダメになってしまうんだと思うの。まぁ、後々思い返すと、それって『CDを買うだけじゃなくって実際に私たちの演奏を見に来た方が得しますよ』っていうファンに対してのいやがらせみたいなものよ」
「ライブに来て俺たちの演奏を直接聞いてほしいってのも、ほとんどあってね。みんなの意見から、そうしてもらうようにしたの」
「俺たちもそれに賛成してさ、ライブを精いっぱいやって、『来てよかった』って思わせてやるんだよ。」
「ＣＤに関わってんのは、俺とライみたいなもんだからよ。ホントにそれじゃつまんねぇんだ。俺も再編集は全力じゃないから、相当違うんだろうな」
スカブルはそれぞれ自分の意見を順番に述べていった。
「だから、ライブ来てね。チケットあげるからさ」
ライは、ユイに向かって微笑んだ。