俺と彼奴とシンデレラ２ (ページ41)

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冷蔵庫から買い置きしてると思われるミネラルウォーターを取り出し、その場で一気に三分の二程飲むと、

シンクの両サイドに手をつき、体中の二酸化炭素全てを吐き出すみたいに盛大なため息を吐く。

アイドルとはいえ、俺かって健全な男子なわけで、

好きな子とおったら…その…なんていうか…

あんな事やこんな事…したくなるわけ！

でもほら、紫耀がいつ帰って来るかわからへんし、

そもそも君は体調悪いし、

我慢するしかないやん…

そんなやるせない思いでフラフラと力無くソファまで歩くと、自分の家ではないにもかかわらず、遠慮なくドサッとソファに倒れ込んだ。

「いって！」

その結果、勢い余ってアームに思いっきり脛をぶつけてしまい、思わず声が出る。

「った～…」

誰もいないリビングに響く、俺の呻き声。

やっぱ俺って不憫なんかな…

「カッコ悪…」

なんとか痛みが治ってきたところで仰向けになり、小さくそう呟いて左腕で目を覆う。

そのままただ息を吸って吐いてを繰り返し、10分くらい経ったやろうか、欲望で乱れまくっていた心がようやく平常心に近づいてきた。

ふとポケットに入れっぱなしやった携帯を見ると、つい数分前に紫耀からラインがきていた。

"Aの具合どう？俺もこれから帰る。"

"やっぱまだ熱あった。紫耀帰って来たら俺帰るわ。"

俺はパパッとそう返すと携帯をポケットに戻し、軽く深呼吸をしてからもう一度君の部屋へ向かった。