24 ページ24
うぅ…
なんか…重い。
何？もしかして金縛り？
目開けたら知らん人が上に乗っかってたりするわけ？
もうホンマ勘弁して…俺そういうの苦手やねん。
「…ってお前か！！」
恐る恐る開いた目に入ってきたのは、えらく不機嫌な表情で俺のお腹にどっしりと跨る紫耀。
「何してんねんお前は！」
「それはこっちの台詞。」
「は？」
「『は？』じゃねぇよ。ソファで寝てたはずのお前がなんでここにいるんだよ！」
そう言われてふと横を見ると、君の寝顔がすぐ側にあって、一瞬にして数時間前の記憶が蘇る。
やばっ…
Aが寝るまでと思ってたのに、俺そのまま一緒に寝てもたんや。
うわマジか…
紫耀怒ってる…やんな…
どうしよ…何か言わな…何か…
「……俺、たまに夜中徘徊すんねん。」
「あー、なるほど。…ってならねぇわ！
せめてもっとマシな言い訳しろっつの。」
さすがに無理か。
「でも別にやましいことは何もしてへんからっ！」
「当たり前だろ！」
紫耀、ごめんな。
何もしてへんって言うのも嘘。
ホンマはちょっと恋人っぽいこと…した。
でもそれはほら、風邪の治療の一環ってことで。な？
「ん…朝…？」
遠慮ない声で紫耀とやり合っていたからか、君が眩しそうに目を開けて、鼻にかかった声でそう訊ねてきた。
「ほら、まーた廉がうるさいからAが起きちゃった。」
紫耀にそう言われて、「お前が上に乗ってたからやろ！」と言い返そうとしたけど、そこはぐっと堪えて言葉を飲み込む。
「ごめん、うるさかった？」
だって、ほら…俺にも落ち度があったわけやし…
まぁ彼女と一緒に寝て何が悪いねんって感じではあるけど、
でも一応釘刺されてたし、兄の前ではちょっとアカンかった…かな…と。
「ううん。よく眠れた。」
「そっか、なら良かった。具合どう？
あ、体温計そこにあるから熱測ってみ？」
俺がそう言うと、君はこくんと頷いて布団からサイドテーブルに手を伸ばし、体温計を手に取る。
俺の真横でTシャツの襟元から体温計を差し込むその仕草に、ちょっとドキッとしたりなんかして…
はぁ…俺、相当惚れてるな…
なんてことを考えていると、
「あーーー！！」
急に紫耀が眉をひそめて思いっきりそう叫んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：P | 作成日時：2018年9月19日 22時
