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嘘やろ…今日に限って鍵忘れるとか。
いや、体調悪いから忘れたんかな。
どうしよう…
とりあえず紫耀に連絡してみるか…
「あかん…やっぱ彼奴収録中やから出えへんわ。」
21時4分…
紫耀の仕事が終わるまであと3時間はかかるやろう。
「いいよ、廉君。私大丈夫だから。ファミレスでも入って適当に時間潰すよ。」
「いやいや何言うてんねん。一人にするわけないやろ。」
そうや。
紫耀が仕事終わるまで、とりあえず昔住んでたあのマンションに連れてく？
いや、でもこっからタクシーやと結構時間かかるし、薬もないし冷蔵庫の中も空っぽやしな…
ドラッグストア行ってコンビニよればなんとかなるけど、そんな連れ回してたら余計酷くなりそうやし…
うーん…
…
"門限は0時だからな。"
"門限までにちゃんとかえせよ。"
あーーーーもーーーーーーっ！
知らんわ、そんなん！！
しゃーないやん！！
「よし！A、行くで。」
「え？どこに？」
熱があんねん。
鍵がないって言ってんねん。
紫耀、お前まだまだ帰って来おへんやろ？
「俺んち。」
やから俺んちでゆっくり休ませる。
それしかないやろ。
「でも私本当に大丈夫だよ？」
「俺が大丈夫じゃないから。おとなしく言うこと聞いて？」
少しの間をあけてこくりと頷いた君の手を握ると、やっぱり熱くて焦るような気持ちになる。
「しんどいやろ？すぐタクシーつかまえるな。」
まさか付き合った初日に君を家に連れて帰ることになるとは思ってもなかったけど、
状況が状況なだけに下心なんて芽生えるはずもなく、
「大丈夫？こっちもたれてええから。」
タクシーの中、眉間に皺をよせて窓にもたれかかる君を、俺の肩へと抱き寄せた。
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作者名：P | 作成日時：2018年9月19日 22時
