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「あのぉ〜」
「はい!何か?」
おっと、彼の存在を忘れていた。
「入門表にサインお願いします!!」
「ああ、わかりました」
差し出されたバインダーを受け取り、サラサラと筆を走らせる。
「小松田さん、この入門表は毎回入る時に書くんですか?」
「はい!入門表だけでなく出門表もそうです!学園の先生や生徒、誰であろうともサイン無しでは学園内には入れません!!」
どうやらここは人の出入りに関しては管理が行き届いているようだ。
どやぁと胸を張りつつ、小松田さんはふんふんと若干鼻息を荒くしながら語っていた。その姿はこの仕事に誇りを持った、無断侵入・外出を絶対許さないマンにしか見えなかった。
うん、非常に良い。高評価だ!!
私が忍術学園に来た目的はもちろん伏木蔵に会うためであるが、実はもうひとつ別の目的ある。
それは『忍術学園の安全性を確かめる』ということだ。
ただでさえ戦が絶えないこのご時世、誰がどこで恨みを買うかなんてわかったもんじゃない。忍びだってそれは例外じゃないし、寧ろ恨みを買う率は他より高い職だ。
そんな職の教師やそれを目指す子供達がいる場所が忍術学園である。
忍びでもある教師に恨み持つ輩や、いずれ自分達の敵になるであろう若い芽を先に摘もうとする輩がいないとは言い切れない。そんないついかなる時も危険が隣り合わせのここに弟を通わせるのであれば、安全性を確かめずにはいられないだろう?
本心を言えば伏木蔵には忍びになって欲しくないし、忍術学園も辞めて欲しい。しかし両親曰く、彼は自分の意思で学園に行ったというではないか。そして両親もその背を押して送り出した。
それを姉であるからといって私が否定していいものだろうか?
確かに私と伏木蔵は血の繋がった、正真正銘本当の姉弟である。だが結局は血の繋がっただけの他人。彼の人生を決める権利は無い。(多少の口出しはするがそれは愛故であるので多めに見て欲しい)
だから直接本人に辞めろとは言わないし言おうとも思わない。でも心配なのは変わらない。なのでせめて、彼には五体満足でここを卒業してもらわないと困るのだ。
そのためだったら、私は忍術学園でも敵の城でもどこにだって乗り込むし、血を流す事も惜しいとは思わない。
え、流石にブラコンが過ぎるって?ごめん、引かないで。
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勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - うん、好き。←急にすみません💦 (2023年2月18日 2時) (レス) @page50 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです!! (2022年4月28日 0時) (レス) id: fc3a292471 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 夢主ちゃんも忍術学園に行ってそのまま習っちゃえ!www 今回も面白かったです (2022年4月27日 23時) (レス) @page10 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2022年4月26日 10時) (レス) id: fc3a292471 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 伏木蔵可愛いですよね♡ 続き頑張ってください (2022年4月26日 7時) (レス) @page3 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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