【忍たま】姉は弟になかなか会えない

3-5 ページ18

.

「さてさて、着いたは良いが何本買って行こうか」


爆速で走り、あっという間に団子屋に着いた。

学園全員分団子を買いたいと思っているのだが、そうすると大量に必要だろう。だが、この団子屋は注文を受けてから焼いてくれるのでそんな大量に団子を注文した暁には出来上がるのはきっと夕方を過ぎる。

そうしたら忍術学園に着くのは夜だ。

いくら夜が忍者のゴールデンタイムだとはいえ、子供にとっては成長に欠かせない大事な睡眠時間。それを邪魔するなんて非常識なことはできない。

もし仮に『伏木蔵の姉は非常識な人』だなんて思われてしまえば、伏木蔵に迷惑をかけてしまう。そして私は伏木蔵に嫌われ、事実上の死を迎えることになる。

なんという最悪のシナリオ！！


だからといってここの団子を諦めるわけにはいかない。

何せ、周辺に手土産になりそうなものを売っている店がここ以外ないのだ。町に出れば色々あるだろうが、今から行けば結局夜になるので元も子もない。

じゃあ手土産をなしにするか？と言われたとしてもそういうわけにもいかない。だって伏木蔵がお世話になっているんだよ？そんなんちゃんと挨拶しなきゃでしょうが！！


……こんなに悩んでいても仕方がない。及第点として、せめて伏木蔵がお世話になっている先生と同級生の分くらいは買おう。





で、それって何本だ？


「先生は担任と…副担任もいるのか？同級生は10人くらい？えー学校行ってないからわかんないなぁ」


伏木蔵の同級生の人数くらいなら両親は知っていただろうか？聞いておけばよかった。

とりあえず12本有れば足りるか？いや、予備を入れて20本？でも伏木蔵の同級生だと10歳でしょ？皆んな食べ盛りだろうから1人2本食べれるように倍の数必要か！？


「あれ？昨日のおにーさんだ！！」
「おにーさん今度こそ迷子っすか？」
「またお団子食べに来てるんですか〜」
「……おや、君達は」


たかが団子。されど団子。

そんなこと思いつつ店の前で云々唸っていると、なんだか聞き覚えのある声がした。

声の方向を向けば、昨日も出会ったあの3人組の子供達だった。

3-6→←3-4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す