6日目 午後 ページ43
病室の扉を開けようとすれば
中からラウールが苦しそうな声で
【だから、帰ってきて】
と呟いたのが聞こえて
開けようとした扉の手を思わず引っ込めた。
しばらく病室外の壁にもたれていると
LINEの着信音が鳴った。
ラウールめめ、まだ来ないの?
バッと時計を見れば
行くと約束した時間からすでに
1時間は過ぎていた。
「ぼーっとしすぎた、、、」
少し時間をズラして扉を開ければ
ラウールが嬉しそうな顔で
「めめ、遅いじゃん」
と笑った。
目「わりぃ、道に迷ってた」
ラ「だと思った〜！
でも、ここ大通りなのに迷う？？
めめ、ぼーっとしてたんじゃない？」
とラウールは俺を小馬鹿にしたように
ケラケラと笑った。
、、、目は少し赤いけど気付かないフリをした。
ラ「じゃあ〜、俺行くね！
もちちゃんのことよろしく！」
ラウールは椅子から立ち上がると
もちの頬を人差し指でつんつんとつついて。
ラ「次会うときは目覚めてますように！」
そう言うとニコッと笑って
ラウールは病室を後にした。
窓際には誰かが持ってきたのか
綺麗な花が飾られていて。
風が心地よくて気持ちいい。
「もち〜。
そっちの世界楽しい？」
なんの夢見てんの？
なんて問いかけても、もちは
表情ひとつ変えない。
「もち1人で楽しいとこいんの。
まじでずるいんだけど。」
そう言ってラウールが座っていた椅子に
腰を下ろせば、もちは気持ち良さそうに眠っていて。
出会った時は怒ったところしか
見たこと無かったけど。
後にも先にも、もちがあんなに怒ってるのを
見たのはあれが最初で最後だった。
もちを女の子として意識したのは
間違いなくあの日だと思う。
レッスンを終えて休憩してる俺の耳に入った
周りの大人から聞こえた
【目黒はいらないかな】
っていう一言。
この業界に入ればよくあること。
実力が足りない。華が足りない。
理由はたくさんあるんだろう。
そっと外に出て【お母さん】と書かれた
履歴を押すと優しい声が聞こえた。
【蓮、どうした？】
【、、俺ジャニーズ辞めようかな】
そう発した時にボロボロと
涙が流れたのは今も忘れられない。
悔しくて、悔しくて。流れた涙。
【辞めたらいいよ。辞めちゃいな】
お母さんはそんなに泣くくらい頑張ったんだから
辞めちゃえばいいのよ、なんて明るい声で言う。
【目黒！！】
そう呼ばれて振り向けばJrの子がいて。
【お前のために闘ってくれてる。】
そう言われて部屋に戻った。
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あやぴ(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！これからも面白い作品が書けるように頑張りますね！ (2021年9月9日 5時) (
レス) id: 75675802ab (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です更新大変だと思います頑張ってください応援してますコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年9月8日 12時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやぴ
| 作成日時：2021年9月7日 1時
