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7話 ページ8

とりあえず面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだ。しかも警察沙汰なんて…!と思った私は静かにこの場から退散することを決めた。


誰も周りにいないか確認したあと、静かに多目的トイレから出た。


よし、いける!ずらかるぞ!と意気込んだ瞬間、「いたぞーーー!!!女子高生に変装した怪盗キッドだーー!!!」と警官の1人に見つかってしまった。


『え゛…!?いや、違います!!私怪盗キッドじゃないです!!!!』と弁明するも大勢の警官がドドドドドと一気にこちらに向かってくる。


何言っても通じない!私のこと完全にキッドだと勘違いされている!


パニック状態の私は近くの階段を上がって8階のフロアへ移動した。


すぐさま階段の下から「追えー!」だの「待てキッドー!」という声がする。


なぜ自分が逃げているのかもわからず重たい足で上へ上へと駆け上がる。


階段を登って行くと鉄製のドアが見えた。


多分、屋上へと繋がるドアだろう。


もうどうにでもなれ!とドアノブを握り締め、扉を開けた。






◆・◆・◆





扉を開けると、ひやりとした空気が舞い込んできた。


屋上に出た私はどこか隠れる場所はないかキョロキョロ見渡す。


そんな時「これはこれは中森警部、お早い到着ですね」という声が聞こえてきた。


声のする方に顔を向けると視界に映ったのは、背を向けた1人の警官だった。


何か手に持っている物を月にかざしているように見える。


彼は私を中森警部という人と勘違いしているようだ。


『あ…えと、中森警部じゃないです』と訂正すると彼は「へ?」と拍子抜けした返事と共にくるっと方向転換して私の方を向いた。


彼は一瞬目を丸くしたように見えたが、すぐに元の表情に戻った。


そして「おっと、失礼。中森警部かと思いきや可愛らしいお嬢さんでしたか」というキザなセリフが飛んできた。


私がポカンとしているといきなり屋上のドアが勢いよく開いた。


警部の「怪盗キッドー!!女子高生の姿に変装しても無駄だぞー!」という声と共に、続々と屋上に警官たちがやってきた。


『だから私じゃないですって!』


「そんな言い訳は通用せんぞキッド!」と警部が言い放つ。


警部や警官が私の方へじりじりと詰め寄ってきた。

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作者名:きょん | 作成日時:2024年5月31日 2時

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