18話 ページ19
園子から聞いた話によると、この前の米花博物館の騒動の夜、怪盗さんは黒真珠を盗むことなく、代わりに新たな予告状を突きつけその場を去ったと言う。
新たな予告状には“4月19日クイーン・セリザベス号で本物の
そして今日が予告日である4月19日。
私はもちろんのごとく、園子に強制連行されクイーン・セリザベス号の船内にいるわけだ。
慣れない衣装に、慣れない豪華な会場…。
周りを見渡す限り、綺麗に着飾っているお金持ちっぽい人ばかり。
ただの高校生がこんな煌びやかな場にいて良いのかと居た堪れない気持ちになる。
「何キョロキョロしてんのよ…!」と園子に小突かれる。
『だって…ここにいる人たち皆お偉いさんばかりなんでしょ…?庶民の私には見慣れない光景で…!』
「んもう!そんなの関係ないわよ!それに、あんたも着飾ってるんだから…!」
園子の言葉に自分の着ているパーティードレスに視線を落とした。
ドレスは淡い水色で控えめにフリルが施されている。
隣にいる蘭にも「Aにそのドレスよく似合ってるよ!」と褒めてもらった。
私はえへへ〜と照れながら頭をかいた。
多分今の私は鼻の下が伸びまくっているだろう。
蘭や園子と話していると園子パパが前に立ってパーティーの挨拶をし始める。
「我が鈴木財閥も今年で早60周年。これもひとえに皆様のお力添えの賜物でございます。今夜はコソ泥のことなど忘れて504名が集まった優雅かつ盛大な船上パーティーをごゆるりとお楽しみください。」

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作者名:きょん | 作成日時:2024年5月31日 2時