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Aを継子にしたのは2年前、
剣術の腕が優れた子供がいると噂を聞きつけ興味が湧いたのがきっかけだ
「噂を聞き付けここに参った!俺は炎柱・煉獄杏寿郎だ!是非とも君を継子にしたい!!」
こちらを見たままピクリとも動かないA
真紅の眼がとても印象的だった
「何か喋ってはくれまいか!」
「嫌です」
「」
ここまでキッパリと否定されたことがなかった俺は、
心にぽっかり穴が空いたような衝撃を受け思わず言葉を失った
「理由を教えてはくれまいか!俺は君を継子にしたい!して、このまま引き下がるわけはいかないのだ!」
ぽかんとした様な、どこか驚いているような顔で俺を見つめるA
その顔は、13歳とは思えないほど艶麗で俺は思わず目を逸らしてしまった
「····父上、母上、兄上の帰りを待っているんです。」
「そうだったのか!君のご家族はいつ帰られるのだ?」
「···半年待ってるけど、帰ってこないです」
「·····!!」
思わず口を噤む
なんて声をかければいいのか分からないのは初めてだった
「···よもや!!暫く帰れないそうなので、それまで俺の元で預かってはくれまいかと頼まれていたのを忘れていた!」
これが今の俺に出来る、精一杯の優しさだ
「本当に、ですか?」
「いかにも!して、君の名はなんと言う!」
「A。日紫喜 A、です」
「A!迎えに来るのが遅くなってしまいすまない!待たせたな!」
こうして、俺はAの手を引き屋敷へと連れて帰ったのだ
後に、
半年ほど前、Aの居た村が鬼の集団に襲われ多くの人が命を落としたと知った
亡くなった人の中には、日紫喜の姓を持つ3名の名が書かれていた
Aがもう少し大人になった時に、
この事実は伝えなければと思っている
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〜大正コソコソ噂話〜
Aは、自分の家族が迎えにこないことを知っているよ
亡くなった悲しさより、煉獄さんが自分を救ってくれたやさしい嘘にとっても感謝してるんだよ
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バナナ - とても面白かったです!更新待ってます! (2023年1月28日 16時) (レス) @page35 id: 4cea2a0701 (このIDを非表示/違反報告)
柴茶(プロフ) - 雨ノ宮紗綾さん» なんて初歩的なミスを....すぐに直します。ご指摘ありがとうございます! (2020年7月7日 22時) (レス) id: 6287ce3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - あの…無一郎の時透は『時任』ではなく『時透』ですよ… (2020年7月7日 18時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
柴茶(プロフ) - 光華さん» コメントありがとうございます!!褒め言葉嬉しいです!これからも頑張りますね(^^) (2020年7月5日 0時) (レス) id: 6287ce3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 最高すぎる!更新頑張って下さい! (2020年7月4日 15時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴茶 | 作成日時:2019年11月15日 22時