【ヴィランズ手下】あなたが居るならそれだけで

39　鐘の夢 ページ42

ヴェールside

気がついたら、深海にいた。

ヴェール「ここは.....どこですの？」

「ジョー！」
ヴェール「Aさん......！？」

人魚で、美しい女性.....それはAさんそのものだった。

どうして彼女が！？
彼女はヴィランズのはずでは.......

そして、タコさんに抱きつく。

エイトフット「お前は本当に甘えん坊だな。ほら、こっち来い」
「ふふ、安心する」
エイトフット「魔女の手下に抱き締められて安心するとは、お前も変わってるな」

彼女を抱き締め、仲睦まじく過ごす二人。

それを、私は見ているだけ。

ヴェール「これは、一体なんですの.......?」

次の場面は、ベッドに横たわっているお二人が。

「ジョー......」
エイトフット「A、愛してる....んっ.....」

愛し合う二人。
彼女を傷つけないように腫れ物を触るように愛するタコさんがどれだけAさんを大切に思っているかが伝わってきた。

今度は、楽しげに歌う彼女。
その楽しげな歌声と姿は、いつもと変わらない。

「るりら、るりら」
エイトフット「すげぇうまいな。聞いてて癒される」
「嬉しい！なら私、ジョーのためにいーっぱい歌っちゃう！」

褒めると、子供のようにはしゃぐAさん。


今度は、さっきとは違う悲しげな府陰気のAさんがいた。

「今まで、ありがとう。もしも生まれ変われるならばその時はまた遊んでね。」

そう言い残し消えていくAさん。

ヴェール「ま、待ってくださいまし！Aさん！Aさん！」

呼び止めても振り返ってくれない。

どうして、どうしてですの！？

ヴェール「待ってください！Aさん！」




ヴェール「Aさん！」

汗が......

おそろしい夢ですわ......Aさんがいなくなるなんて.....考えるだけでもおぞましいですわ！




ヴェール「Aさん！聞いてくださいまし！」

Aさんの部屋に駆け込むと、静けさが私を包み込んだ。

ヴェール「Aさん？あら？これは.....」

彼女の書いたとされる手紙........

内容は、理解しがたいものだった。

ヴェール「そ、そんな.......Aさん！？」

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