【呪術廻戦】高専辞めたら先輩病んでた【男主】 (ページ9)

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九歩ページ9

「斎藤くん、この仕事も頼むよ」

「斎藤さーん、昨日頼んだ仕事できた〜？」

「斎藤さん」

「斎藤さん」

「斉藤さん」

中卒という学歴で、
どうにか職にありついたが、
ここまでクズの集まりだったなんて知らなかった。

自分にとって面倒な仕事や、
責任が重い仕事を俺に頼んでくる。

肩をぽんっと掴み、「やってくれるよな？」の一言。

これはもう世間一般で
言うところのパワハラなのでは？

と思ったが、断るのも面倒なので、
『はい。分かりました』とだけ応えて仕事を預かった。

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残業をし、
真っ暗闇の中を切り抜けるように
スタスタと歩く。

決して交通量の少ない道ではないが、
周囲の景色が単調なせいで、
同じ景色を繰り返し見ているような感覚だ。

夜に溶け込む古びたアパート。

古い小屋にそれを囲む田んぼ。

高専を退学し、急いで荷物をまとめて、
数日のうちに田舎に引っ越した。

両親からは勝手がすぎると文句を言われたが、
はいはいと聞き流し、
挙句の果てには無視を決め込んだ。

何故田舎を選んだのかと言うと、
田舎は人口が少ないため、呪霊が少ないからだ。

呪霊が少ない＝呪術師が来る可能性も低い。

五条先輩に会うのは嫌なので、
やはり可能性は低いに限るという訳だ。

顔を合わせることだけを考えても、
やはりあの人相手だと気が滅入る。

というか、あの人だって、忙しいだろ。

俺に会うことなんて、絶対ないだろうし、
どうでもいい俺の事なんて忘れているに決まってる。

そう願いたい。