【呪術廻戦】高専辞めたら先輩病んでた【男主】 (ページ28)

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二十八歩ページ28

文章を書いていると、
夏油さんがカヲルくん(Eva)に見えてくる。

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「じゃあ、教えてあげるよ」

『…』

そう言い、先輩はスタスタと俺の方に来た。

思わず椅子を引いてしまったのはバレただろうか。

黒い髪が揺れる。

『ッ…！』

先輩は座る俺の前に来ると、
ガッと俺の両頬を掴み、無理やり上を向かせた。

バチッと先輩と目があう。

あの長い黒髪がカーテンのように、
俺と先輩を包み込んだ。

「…私はね、ここに来る前に沢山の人を殺したんだ。
君に触れているこの手でね。世間で言う人殺しさ。
それは君もわかっているだろう？」

こくりと頷く。

「だから、見つかる訳にはいかないんだ。
まだ、最初の一歩すら踏み出していないからね。
それなのに、私は(一応)敵である呪術師と
未だに関係を持つ君とこうして一緒にいる」

「どういうことかわかる？」と
聞いてくる先輩をただ見つめる。

確かに、この関係は疑問だらけだ。

俺はまだ担任と連絡をとっているし、
夏油を見つけたら言え、とも、言われ、て……。

……………なんで、俺は、

夏油先輩を庇っているんだろう＿＿＿＿？

『……………ぁ』

「私はね、

こうしてリスクをおかしてまで、

君と居たいんだよ」

『お、れ……』

「その＂どこか欠けている＂君に興味があるんだ。

そんな君に、

私にとっての＂存在意義＂を見出したんだ」

存在意義。

その言葉がスっと俺の中に溶け込む。

抱えていたものは軽くなるような、
重い荷物を下ろした瞬間のような、そんな感覚。

「なんだよ、お前まだ居たのかよ。
邪魔なのわかんないわけ？」

俺はいらない？

いらなくない？

『俺は__』

先輩がゆるゆると俺の頬を撫で、
そうして、
俺の頭を優しく撫でる。

また、あの笑みを浮かべていた。

「私は他とは違う。

君が、必要なんだよ」

「わかったかい？」

こくり。

こくり。

先輩の言葉を頭の中で咀嚼しながら、
ただ撫でられる。

あぁ、やっぱり心地よい。

『____必要なんだ』

一番、言われたかった言葉かもしれない。

夏油先輩が俺の首をするりと撫でる。

「(ゆっくりゆっくり、堕ちてくればいい)」

「(だって、手駒は多い方がいいじゃないか)」

クッとどこかから笑い声が聞こえた気がした。