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二十歩 ページ20

(……プルルル……プルルルル)


『……んぅ…』


携帯の着信音で目が覚める。

……またあの非通知からだろうか。

俺は毛布の中でモゾモゾと動きながら、
携帯を手に取って見てみる。



『……はい』


「斎藤!久しぶりだな、元気にやってるか」



担任だった。


それに少し安堵し、しかし、少し嫌だった。


何故朝にかけてくるのだろうか。



「……少し話したいことがあってな」


『?』


携帯から聞こえたのは、やけに真剣な声だ。

俺はガバリと身体を起こすと聞き入る。



「……夏油傑が呪詛師になったのは知っているか?」


『え?夏油先輩が……呪詛師に……!?』


「あぁ、お前が退学した少しあとに
任務先の村人を百人殺し、家族も殺し、
…………そして、逃亡したんだ」



その言葉にガツンと頭を殴られたような気がした。


そんな、こと……あの人が…。


衝撃でプルプルと手が震えた。


百人……それも家族も……殺した?


あの優しい先輩が?


気にして俺に声をかけてきた先輩、
優しく俺の頭を撫でた彼を思い出す。




「……零、呪術師だけの世界ってどう思う?」



「呪霊も猿もいない世界」




ふと、その言葉が頭に浮かんだ。


もしかして、呪術師だけの世界を作るために、
非術師を殺したというのか?

あの時の先輩は、真剣だった。
冗談で言ったわけではなかった。



もしかして……もしかするかもしれない。



「その件に関して何か知っていることはあるか?」


『……ぁ…………い、いえ。何も』


「そうか。もし夏油を見かけたら
高専に連絡してくれ。
退学したお前に頼むのはアレだが…
……今のアイツは危険だからな」



そういい、先生は溜息をついた。


少し疲れているみたいだった。


咄嗟に…先生に嘘を着いてしまった。
何故、嘘を着いたのだろうか。
……自分でもよく分からない。
ただ、ポッとその言葉が出ていたのだ。




「あと、五条の件だが、どうするんだ?」


『……』




そんなこと忘れていた。


五条先輩が俺に会いたい…
会って言いたいことがあるって話だっけ。



………………正直、今は会いたくない、なぁ。



何もかも、手一杯だ。




『……会、いません……仕事で忙しいので』


「……そうか。俺から伝えるよ」


『すみません…』



そう言い、プツリと通話をきる。


……仕事に行こう。


どうせ、もう会わないのだから、


深く考えるのはやめよう。

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- 続き待ってます! (9月18日 1時) (レス) id: 61fc42598e (このIDを非表示/違反報告)
ボブ(プロフ) - 更新待ってます。 (2022年7月12日 21時) (レス) @page36 id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
すめし - 好きすぎる、、、 更新頑張ってください!! (2022年3月17日 21時) (レス) @page36 id: b2ccf5b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえ - 続きが気になりすぎる…!! (2021年7月23日 21時) (レス) id: 13f7b558a6 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - 更新待ってます。 (2021年6月22日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かるーあ | 作成日時:2020年12月27日 9時

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