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十七歩 ページ17

(…プルルルル………プルルルル…)


(プルルル……)



『……ん…』



隣に置いていた携帯の着信音で目が覚める。

時刻は朝の五時。

こんな時間に電話をかけてくるなんて、
迷惑なやつだ。まぁ、目覚まし代わりになったけど。



そう思いながら、
ぼーっとしたまま携帯を手に取り、
誰からの着信なのか見ずに耳に当てた。



『はい』



自分の声は枯れていた。


唾を飲めば、ひりひりと喉が痛んだ。

風邪ではなく、
口の中が乾燥してしまったのだろう。




「…………」



『もしもし?』




もしかして、また迷惑電話だろうか。

声は聞こえない。

サーッサーッとノイズだけが聞こえていた。
俺は携帯の向こうに耳を済ませる。

一言文句ぐらい言ってやろうか。



そう思っていた時、



微かな音を耳が拾った。







「……ッ…………ハーッ……」





『?あの……』





「……ハッ………………ンッ……」





『何にか……用…でも……』







何かが擦れる音と、




男が息を吐く音。




熱い。




息が直接耳に吹きかかるような
錯覚が起きるような、
それぐらい生々しく、気持ちが悪い。





なんだ、これ。





『ッ……!』





キモッ……!



そう思い、
ブツリと着信をきると
思いっきり耳から携帯を離した。



ナニをしていたのか、考えたくない。



もしかして…と思ったことが、


気持ち悪くて、


最悪すぎて…。




『気持ち悪い…』




俺はガシガシと頭をかくと、
ベッドから下りる。


顔を洗ってスッキリしよう。
……そうすれば、きっと、薄れていくはずだ。





(……プルルル…プルルル)





俺はまた始めた着信を無視し、
洗面所に駆け込んだ。







━━━━━━
━━━━
━━







「顔色悪いけど、だいじょーぶ?」





ぐぐぐと眉を寄せながら、
キーボードを叩いていると、
隣の同僚がそう言ってきた。

俺はぴくりと手を止めて、彼を見る。




『……そんなに顔色悪いですかね』


「そりゃもう…大丈夫?早退する?」


『…いえ』




疲れた目を抑えながら、
そう答える。



まだ朝のことを引きづってしまっているみたいだ。



ダメだな……仕事中なのに。
切り替えないと。


俺はもう一度パソコンと向き合う。



「あんまり無理するなよ」


『……ありがとうございます』



こんなことで悩んで他人を心配させるなんて、

ダメだな……。

そう考えて、今朝のことを忘れようと集中した。

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- 続き待ってます! (9月18日 1時) (レス) id: 61fc42598e (このIDを非表示/違反報告)
ボブ(プロフ) - 更新待ってます。 (2022年7月12日 21時) (レス) @page36 id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
すめし - 好きすぎる、、、 更新頑張ってください!! (2022年3月17日 21時) (レス) @page36 id: b2ccf5b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえ - 続きが気になりすぎる…!! (2021年7月23日 21時) (レス) id: 13f7b558a6 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - 更新待ってます。 (2021年6月22日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かるーあ | 作成日時:2020年12月27日 9時

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