【呪術廻戦】高専辞めたら先輩病んでた【男主】 (ページ12)

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十二歩ページ12

『はぁ！？』

久しぶりに担任から電話があったから、
出てみたが、正直驚きを隠せない内容だった。

『誰が、泣いてたって！？』

「ご、五条だよ。五条悟がわざわざ職員室に来て、
泣きながらお前に伝えたいことがあるって言ってきたんだよ！！」

泣きながら？嬉し涙の間違いじゃないのか？
俺が本当に居なくなって清々したとか。
そんな話じゃない？普通…

どうしたら＂あの五条先輩＂が、

俺の退学を嘆くんだ。

絶対裏があるだろ。
暇つぶしが勝手に消えやがって、とか言って、
ボコりたいとか…そんなやつだろ。

どうして……

『要件はそれだけですか…』

「だから、お前今どこにいるのか知りたくてだな」

『教えるわけないじゃないですか』

「…そんなに嫌いなのか？五条のこと」

…嫌い、というか…なんというか。

そう簡単に言葉では表せない気がする。

でも、確実に向こうは俺が嫌いだろ。

『…そんなんじゃないです。ただ…』

それから黙り込んでしまう。

よく分からない。
俺ってあの人のこと嫌いなのか？

『せんせ…嫌いの定義ってなんですか？』

「そりゃあ…顔を見たくないとか、
極力そばにいたくないみたいな…
否定的な感情のことじゃないか？」

『じゃあ、嫌いです』

「おいぃ！！」

うるさ。

そう思いながら、少し携帯から耳を離す。

でもなんだか腑に落ちない。

嫌い、嫌い…か。

嫌いなのだろうか。

この胸のもやもやは、
嫌いと名前をつけていいのだろうか？

「あのな…例え、以前関係が良くなかったとしてもな、
五条はお前に伝えたいことはあると泣いたんだ」

『…』

「それだけでも聞いてやってくれないか？」

『……少し考えさせてください』

「…あぁ」

プツリと通話を切って、ポケットにしまう。

正直、誰かと関わりを持つのはめんどくさい。

電話して、今何してるのとか、どうしてやめたのとか、
聞かれるのも面倒だ。
俺の勝手だろ。お前に関係ない。察しろ。
そんな言葉を言いたくなってしまう。

だけど、言える勇気なんて持ち合わせてなくて、
結局正直に話すか誤魔化すか二択しかないのだ。

正直、担任とも連絡は取りたくない。

このまま一人で、過ごしていたい。
そうすれば、何も考えずに楽に過ごせる。

他人に淡白で無関心な俺のせいで、
傷つく人も居なくなるんだ。

時計を見て、仕事場に戻る。

『はぁ…』

残っていた仕事を脳内で確認し、
量の多さに溜息をついた。