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「つまり……おまえは、元彼の名前をアイツにつけたのかよ…。」
ユートの変化に驚いていただいちゃんだけど、どうやらだいちゃんのネコ、ケイくんも同じことが出来るらしく。すんなり受け入れてくれた。
そして、名前の由来を聞くと呆れたようにため息をついて、もう一度ユートの顔をじろじろ見る。
「…ん、まあ確かに似てるっちゃ似てるよな。」
「?誰にですか」
純粋な気持ち目でだいちゃんを見るユートに、お得意の大ちゃんスマイルをかまして、俺に視線を戻す。
「……やっぱり、忘れられてねえの?」
その声は、さっきまでの問い詰めるような声色じゃなくて…、心配そうな寄り添ってくれる声だった。
優しい彼に心配をかけていることに申し訳ないと思うが………それでもやっぱり心は素直だった…。
頷くより先にポロリ…と雫が頬に落ちて。
次から次へと止まらない。
「う…っ、あぁ…、だ、て…っ!ゆ、と…っ、ゆうと………っ!!」
柄にもなく親友の前で大泣きして。
情けない自分の本音が漏れる。
今でもはっきりと覚えてる。
君の体温、
照れた時の癖、
寝起きで少し低い声、
近くを通った時に香る爽やかで、でも甘い香り。
……今でも君なんじゃないかって、振り向いちゃうんだよ。
……本当は別れたくなかった。
…離れていかないで。
ねぇ、俺のどこがダメだったの。
彼が家を出ていく最後まで言えなかった言葉がボロボロと零れ落ちていく_______________。
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作者名:海月 | 作成日時:2020年5月2日 14時