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ページ12

有岡side


中「大ちゃん!だめだめ、ちゃんと心を込めてっ?」

文化祭の練習が始まった

だがしかし、俺の演技の下手さのせいでまるで進まない


台本だって読んでないわけじゃないし、むしろ家できちんと読んで何回もイメトレしたのに........


いざ、みんなの前でやることになると心臓がバクバクしてきてしまう

情けなすぎる、俺!


有「ほんとにごめん、もっと家で練習してくる........」


一旦練習が中断になり、俺は知念に謝った

知念は家でちらっとしか見てないよ〜なんて言ってたのにスラスラとセリフが言えていて羨ましいし、申し訳ない

知「気にしないで大ちゃん、しかたないよ僕らプロの俳優ってわけじゃないんだから」

そう言って知念はぽんぽんと俺の肩を叩く

中「大ちゃん、知念、一旦休憩にするから休んできてね〜!!」

裕翔は、山田からのお願いで監督になった

監督に一旦休憩と言われたのだから素直に休むか、と思い山田のいる衣装班を覗きに行く


山「あれ?大ちゃん、どしたの?」

若干プライドをやられている時に山田の柔らかい声を聞くと癒される


なにも言わない俺を心配したのか、わざわざ班を抜けてきてくれてふたりで教室の外に出た


山「どうしたの?なにかあった?」
有「ううん、なんもないよ!山田はちゃんとやれてるかな〜って!」


じっと俺の目をみつめる山田

俺からは山田の目は、メガネと前髪に邪魔されて見えないんだけどね


山「そう、なんだ。」
納得のいってなさそうな声色だけど
山「そうそう、ジュリエットの衣装めちゃくゃちゃ可愛くてね?スパンコールが散りばめてあって、八乙女くんが作ってきてくれたんだ!」
俺を気遣ってなのか話を変えてくれる山田

有「へえ〜!!めっちゃ楽しみ!」
山「ロミオの衣装も素敵に仕上がると思う!大ちゃんなら絶対似合うよ!」
ロミオ........か。本当に俺でいいのかな

山「俺は俺らしく衣装班頑張ってくるね、だから大ちゃんも大ちゃんらしくロミオを演じてね」


大ちゃんのロミオ楽しみにしてる、と柔らかい声で言われて失敗や緊張で硬くなっていた心がほどけていく



俺は俺らしく……か



有「ありがとな、山田!俺頑張るな!!」




そうだ、俺は俺らしく
知念みたいに1発で台本なんて覚えられないんだからゆっくり覚えてこう
緊張しちゃうかもだけど、ゆっくり慣れていけばいいんだ



そのことに気づかせてくれた山田に感謝して俺はもう一度練習を始めた

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作者名:海月 | 作成日時:2019年10月10日 18時

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