えいとどくたー。2

安の患者さん ページ21

安田side



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【 設定 】
A・・・小児がん入院中(15歳)


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「 A〜！久しぶり 」

A「 章ちゃん先生じゃん！久しぶり！」





休みの日は未だに病院で仕事している僕達

言うてほとんど芸能人の子どもや
芸能人の患者さんが多いねんけど
Aはまだ医者だった時から
ずっと見てる患者さん

小さい頃から辛い治療を乗り越えて
再発を繰り返している






「 少し大きなった？ 」

A「 先生、私抜かしちゃうよ？(笑) 」

「 そんなちっさないわ！先生やって175あんねんで 」

A「 嘘つき(笑) 」






Aとおるとついつい長く話してまう
もう俺の子どもみたいなもんやからなぁ






A「 先生、あのね...？」

「 どうしたん？」

A「 もうすぐ治療始まるでしょ？ 」

「 せやなぁ... 」






再発も何回目のA
雰囲気でわかってんねんな







A「 私、もう治療やめたい... 」

「 A？どうしたん？ 」

A「 ...次の抗がん剤は副作用も強いんだって」

「 そうなんや、それはしんどいね 」






知っていたけどここはAの気持ちに寄り添う

ベッドに腰かけると今にも泣きそうな顔のA







A「 もうどうせ死ぬなら楽に死にたい...っ(泣) 」

「 A、おいで 」







Aに抱きつくのはいつぶりやろ

小さい時は甘えん坊で寝るまで抱っこしてたっけ...







「 大丈夫。Aはぜーったいに死なさへんよ 」

A「 先生っ、もう嫌だよぉ...っ(泣) 」

「 うん、しんどいことばっか嫌やな
Aはよー頑張ってるよ 」






胸が締め付けられる

まだまだ子どもやのにこんなにも頑張っているのに
治療せえへんとどうなるかも分かっている

治療したらしんどいことも全部知ってんねん







「 いっぱい泣いてええよ？今日はそばに居るから 」

A「 ...先生...、私しにたくない...っ(泣) 」

「 言うたやろ？死なへんよ(笑)
先生はあまり来られへんけど今でもAの先生やで？先生が絶対守るよ？
やから、もう一度頑張ってみいひん？ 」





頷いた後に声を上げて泣いたA

久しぶりに泣けてすっきりしたかなぁ

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