ヒロイン!158 るすside ページ19
赤くなったヴァンプの頬を指先でなぞる。
胸が熱い。変なの、泣きそう。
抱きついて、ぎゅって縛り付けたいくらいの何かがこみ上げてきて止まらない。
Eveくんにヴァンプの全てを探るなら、ヴァンプの心臓をえぐってぐちゃぐちゃにするくらいの覚悟を持てって言われて、正直戸惑った。
ヴァンプのこと何から何まで知りたいっていう衝動的な欲望と、自分の欲だけでヴァンプをそこまで壊したくないって気持ちで。
だからまふくんけしかけて3人でお茶会することにしたんやけど。
ヴァンプ見てたら、なんかもう…天月とか過去とかなんでもいいやって思った。
もちろん、完全に気にならないわけじゃない。でも、本人が話してくれるその時まで聞かなくていいやって思った。
仮にEveくんの気が変わって、教えてくれるとか言われても。ヴァンプ以外から、彼女のことを知りたくないって思った。
る「もし、本当に天月…くん、がAssassineとして悪いことしてるなら。僕は警察だから、いくらヴァンプの大切な人でも逮捕しなきゃいけない。そこは妥協できない。」
いや、そもそも既に電子戦争省内への不法侵入およびヒーロー誘拐で事案ではあるんだけど。
だけど僕は、せめて彼がこれ以上ヴァンプを傷つけないでいてくれたらと願ってやまない。
だってヴァンプ、天月のこと『一番信じてた』って言った時、すごく悲しそうで見てられなかったから。
一番信じてる人が自分の敵になってしまった時の感覚なら、僕もまふくんも死にたくなるほど知ってる。
る「でも、僕ら警察が絶対に…彼を死なせない。もう何も罪を重ねさせないようにするから。」
僕は公安警察だ。プライドもある。
犯罪者を逃すなんてこと、絶対にしない。再犯だってさせない。それが僕らができる、被害者への一番の対応だから。
ま「僕、もっと信じてもらえるように頑張るから。ヴァンプのそばにいて、ヴァンプのことちゃんと受け止めるから。…もう、攫われないで。」
まふまふが、泣いてる。
泣いて…えっ、泣いてる!?
「え、なんで泣くんですか…?ココアで火傷しました?にしてもこのタイミング…?」
ヴァンプちょっと引いてる…。
まふまふも『なぁにそれぇ〜僕ちゃんと考えて言ったのにぃ〜〜』とえづきながら笑い始めた。
ヴァンプは相変わらずの無表情だけど。すこし、笑顔が滲んでいた。
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瀬名 - 手の込んだストーリーで楽しませて貰いました!更新楽しみにしています (2022年1月17日 20時) (レス) @page33 id: 98687f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 初コメです。ものすごく面白かったです! 更新楽しみにしてます!! (2020年6月8日 20時) (レス) id: 72e374ec6b (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 更新再開!?今年いちばんの嬉しい出来事です!! (2020年4月13日 19時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
とろんぼーん(プロフ) - うわああぁぁ更新再開嬉しすぎます…!コメ欄の下の方にいるりょうかの別垢です…笑 更新楽しみにしてます…! (2020年3月31日 10時) (レス) id: a6d44952a8 (このIDを非表示/違反報告)
癒亜(プロフ) - 更新再開ありがとうございます!この作品大好きなので嬉しいです!これからも無理せず、更新頑張ってください、! (2020年2月3日 8時) (レス) id: 28593f1c0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神咲のあ | 作成日時:2018年4月22日 20時