ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！１２２ 坂田side ページ32

ヴァンプの体温は現在38.7度。

外出で疲れて熱が出ている…のだとしても、これは高すぎる。

何か他の要因があるはず。

ま「さかたん、救護室に『風が入ってくる場所』ってある？」

ヴァンプの手に握られていた紫色の花びらを見て、まふまふは何か思慮を巡らせているような顔をしていた。

坂「ない。」

ヴァンプの頭にそっと冷たいタオルを置く。

まふまふがそっと紫の花弁に手を触れる。

ま「痛ぁっ！？」

すると散らばっていた花弁が全てばちんっと音を立てて弾け、一つの花が残った。

「アメリカイヌホオズキ…やっぱり、」

ヴァンプは朦朧とした目で花を見ると、そっと手を伸ばした。

「凪月…。」

坂「ちょっあかんて！触るのも起きるのもあかん！…あっ。」

起き上がろうとするヴァンプを抑えていると、急にくてんと力を失った。

ま「ねえ坂田。今、ヴァンプ、この花の名前アメリカイヌホオズキって言ったよね？」

端末をいじり始めたと思ったら、まふまふは大きくため息をついた。

ま「最初の紫色の花弁を見たとき、ヴァンプはロベリアって言っててさ。花言葉調べてみたんだよ。そしたらさ、『優秀』とか『卓越』っていう花言葉の他に…。」

そっと目を伏せ、端末をこちらに向けた。

ま「『悪意』って花言葉があるんだよ。」

あの花弁には何か術がかけられてた。確実に普通なんかじゃなかった。

はっとした。

坂「じゃあ、その、アメリカ…えっと、ホオズキ？の花言葉は？」

まふまふはぱぱっと端末をいじると、また僕に向けた。

ま「アメリカイヌホオズキ…『あなたを呪う』。」

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