ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！１１４ ページ22

笑ってたらいつの間にか2人とも静かになっていた。

なに？あ、もしかして怒らせた？えっやばい今耐えきれなくて笑っちゃったけどもしかして笑われるのダメな人？？

あ、ありえる…。

やばいとおもって恐る恐る2人の顔色を伺うと、2人ともなぜか驚いた顔をしていた。

ま「初めてそんな笑ってるとこ見た。」

「えっ。」

そ「お前笑いのツボとかあるんだな。」

「ありますよそりゃ。」

なにそれなにそれ〜失礼だったかなとか心配した私が損じゃん〜。

てか私普段から笑ってると思うんだけど。姫さんにとか特にニコニコしてたはずなんだけど。

そ「作り笑いか歌詞太郎と話すときしか表情筋動かないのかと思ってた。」

「いや歌詞太郎さんの前はむしろノーリアクションです。」

ま「嫌そうなのがダダ漏れの顔してるよ。」

「嘘ですね。」

そ「いやほんと。」

てかよくそんなに私の表情監視してますね！！むしろそこがすごいですよ。

…いや、私が多分わかりやすいんだろうな。そうかそんなに顔に出てたか。

「面白いと思ったら笑いますよ、ちゃんと。」

あまり人と話さずに生きてきたから、表情というものが乏しいのは薄々分かっていた。

それでも大人の前でニコニコできてれば苦労はしなかったし、対してそれを苦に思ったこともなかった。

ま「まぁ無理して笑わなくてもいいよ。自然体でいればいいんじゃない？」

にこ、と作り笑いをしようとしたらすぐに止められた。そんなに見るに耐えない顔してますか。ごめんなさいて。

てかまふまふさん仕事行ってくださいよ。

そ「そろそろ行こっか？まふまふ、ちゃんと仕事いけよ〜。」

私の考えてることを汲み取ったようにそらるさんが切り出す。

私の手を引いて歩いて行くそらるさんの背中に、『はぁ〜い』と不満げな返事を返すまふまふさん。

やっぱり、そらるさんのこと取られたくないのかな。

よく一緒にいるし、相棒みたいなものなのかもしれない。

「まふまふさんすみません、お借りします！」

またまふまふさんが『いやだからちがっ』みたいな言ってた気がするけどしらない。

「ふっ…。」

必死なまふまふさん思い出してまたくすりと笑うと、そらるさんが釣られたように笑った。

そ「今日1日よろしくな。」

「はい。」

玄関を出るとタクシーが待っていた。

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