ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！１０９ Eveside ページ16

運命とか簡単な言葉を使うのは本意ではないけど、日本軍特別部隊はそういった言葉を使うしかないくらい異常な部隊だと思った。

そもそも、いくら特殊部隊とはいえ全属性が揃ってる部隊というのは珍しい。

日本軍は揃っているからそうゆうものだと思っているのかもしれないが、ヒーローの属性は基本的に国によって偏りがあるのが普通だ。

それに、僕がいうと嫌味っぽくなるが、全員能力値が高い。

ヴァンプちゃんは言わずもがなだが、他のメンバーもなかなか強いと思う。

それに、歌詞太郎さんから聞いたけどメンバー全員が過去に深い傷を負っているというのもまた珍しい。

そこに誘拐されていた僕が入るなんて、因果なものだ。

神様がいるとしたら、相当ひねくれた性格だと思う。

ひねくれてないわけがない。

E「歌詞太郎さん、自分の部下は助けてあげないんですか？」

目の前を歩く歌詞太郎さんに声をかける。彼も海外では『悪魔』と呼ばれる有名な戦士だった。

歌詞太郎さんはこちらを向くと困ったように笑う。

歌「あの子達が簡単に僕に頼るわけないでしょ。それにあの子達はあの子達で案外強いから。」

強い…か。

確かにみんな、ぱっと見は普通だった。

普段は幸せな生活してそうな顔だった。

E「お腹…痛いな。」

傷口があった場所をさする。

施術を受けてもう傷跡なんてないけれど、ヴァンプちゃんに刺されたことを思い出すたび痛かった。

彼女が僕の目の前に現れたその瞬間から、戦況は一気に変わった。

華奢な体で大鎌を振り回し男を1人沈めた彼女は、まだ16歳だと聞いた。

多感な時期だろうに、やけにまっすぐ育っているように見えた。

…それはもう『いい子症候群』が疑われるほどに。

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