ヒーローがログインしました！season2【歌い手】

ヒロイン！７０ ページ24

泣き疲れて、眠って。

起きたら横にある椅子でまふまふさんが寝ていて、あぁ昨日の夢じゃなかったんだって思って恥ずかしくなった。

でもそれと同時に少し嬉しかった。

よく頑張ったね、とか。ありがとう、って言葉を、本当に言ってもらえたんだから。

このひと、多分寒いよね？

ふとん、かけてあげよう。

ま「…ん、うん…？」

どうにか半身だけ起きて自分にかけてあった布団をまふまふさんにかけると、動きがうるさかったのか起きてしまった。

「…おはようございます。」

一応挨拶すると、まふまふさんは

ま「起き上がっちゃダメじゃん。」

と私をもう一度寝かそうとした。

いやあの、別に多分大丈夫だと思います、脚さえ使わなければ。

だって正直目は色以外なにも変なとこないし、まぁ頭は強打したけど特に痛くないし、重症なのとか左足しかないし。

ま「…ねぇ、目、平気なの？」

す、と眼帯に手を伸ばされて思わずびくりと震える。

…気持ち悪い、って言われないかな。大丈夫かな。

「見えるには見えるんですけど、色が変わっちゃって。」

そういうとまふまふさんは一瞬殺気立った。

あっあっこの人姫さん嫌いなんだっけ？地雷踏んだ？？でもこの傷は流石に意図的にやったやつじゃないからあんま姫さん責められないけど。

ま「見せて。もちろん嫌なら嫌でいいよ。」

まふまふさんはいたって真剣な目をしていた。

なんだろ、面白半分で見たがってるって顔じゃなかった。

てか、まふまふさんの辛い過去を盗み見てしまった私がここで見せないって言うのはなんか不公平感があるわけで。

しゅる、と眼帯を解いてゆっくり目を開けると、まふまふさんの真剣な目と目があって、なぜか恥ずかしかった。

ま「…左目は黒曜石、右目はアメジストってかんじ。宝石みたいでとっても綺麗だよ。僕は好き。」

すうっと目元を指でなぞられてくすぐったい。

なんなんだろ、昨日から。傷ついた後輩甘やかしキャンペーンなのかな、まふまふさん。

？「こらまふまふ？後輩に手を出すな、口説くな。いまのお前は歌詞太郎と同レベルだからな。」

まふまふさんの陰からそらるさんがひょっこり顔を出した。

まふまふさんは気がついていなかったようで驚きのあまり変な声を上げている。

そ「…その目、俺もいいと思う。まだ慣れないと思うけど、ゆっくり慣れればいい。」

にこり、笑うそらるさんに、ふてくされたようなまふまふさん。

「ありがとうございます。」

それが面白くて、笑えた

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