また明日。《5》

♯217 ページ17

樹くんが祭さんを連れて行ってくれて、陸くんと二人になった


陸「一人になりたいって言ってたのにごめん」


A「陸くん、10分だけ時間くれないかな……その間だけ、一人にさせてほしいです……」


陸「分かった……あっちで待ってるね。Aちゃんが大丈夫になったら声掛けて」


A「うん、ごめんね」


自分の思い通りにならないからって陸くんに八つ当たりしたら、祭さんとやってる事が同じになる

だから、飲み込んで納得して、切り替える時間が必要で。5分じゃ短くて纏まらない。けど15分も考え続けるメンタルは無い。10分がちょうどいいと思った

陸くんの言ってることって、宝くじ3億円当たったのに換金してくれないのと同じだと思う
いや、違うか？
意地悪だなぁ、そんな銀行……

陸くんも、意地悪……

だけど……好きって言ってくれた

祭さんの時も色々タイミング的なものがあって付き合えなかったって言ってたけど、それに近いのかな……

付き合う事だけが正解じゃないのかもしれないし、好きって思い合ってるだけでも、いいのかもしれない

そんな恋愛も、あるのかな……

そんな事をグルグル考えてるとあっという間に時間が経ってしまった


フラれたわけじゃないし
これはこれで、楽しめばいい？
今はこう落とし所をつけるしかないんだと思う

とにかく今日一日、楽しむって決めたんだし
自分次第でどっちにも転ぶんだから、楽しく終わらせたい


A「陸くん(笑)」


陸「もう……大丈夫？」


A「うん！コンビニ行こ？(笑)」


陸「行きますか！(笑)」


好き同士なのに手も繋げない
ある意味これも特殊で面白いかもね……

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